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「血を舐めてもらって興奮した」「生理ナプキンで止血した跡が…」歌舞伎町“TOHO横”に集まる未成年は何をしているのか

佐々木チワワインタビュー#1

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 歌舞伎町の社会学を研究する現役女子大生・佐々木チワワさん。15歳から歌舞伎町に足を運び、常に近くで歌舞伎町の街を見てきたという。そんな彼女が最近抱いている危機感。中高生たちが新宿TOHO横の広場に入り浸り、飛び降り自殺や集団リストカットを行なっているというのだ。

 「地雷系女子」や「ぴえん」などティーンの流行を生み出す一方で、過激化する少女たちの自傷行為。なぜ彼女たちは集まるのか。佐々木さんに詳しく話を聞いた。(全2回の1回目/#2を読む)

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歌舞伎町のホストクラブ

――佐々木さんご自身も15歳から歌舞伎町に足を運ばれているんですよね。15歳って少し早いような気もするんですが、最初に歌舞伎町に行こうと思ったきっかけってなんでしょうか?

佐々木 最初は実家からの反発での家出先が歌舞伎町でした。朝までフラフラできそうだなという軽薄な考えでしたね。17歳の時にホストの特集番組を見てから歌舞伎町の文化やホストに興味を持ち始めました。

キラキラ光っている「I LOVE 歌舞伎町」の看板  ©今井知佑/文藝春秋

――ホストクラブにハマった理由ってなんでしょう?

佐々木 私、小学生から高校までいいとこの学校に通っていたんです。そういうことを話すとみんな構えちゃうじゃないですか。この子はそういう子ね~って。それがすごく嫌だったんです。ホストだとみんな私のバックグラウンドを知らないし、あえて聞いてこない。万が一話したとしてもそれで構えられることはなかったんです。ただのお姉さん(?)として扱ってもらえるのが心地よくて。それがきっかけです。

――そこから歌舞伎町の社会を研究しようと…?

佐々木 たまたま深夜に当時自殺の名所と言われていたビルに行ったら、飛び降りようとしていた女の子と、それを止めようとしているホストが居たんです。で、私も中に入って自殺を止めたんです。そのあと彼女から話を聞いたら、泣きながら「だって、お金使わなきゃ、私って生きてる価値ないじゃないですか」って言われて、衝撃を受けました。

 この街の価値観とか、お金の流れって、どうなってるんだろうって。みんな何を消費しているんだろうってこともすごい気になって。それが社会学として研究しようと思ったきっかけです。論文とか文献も見つつ、アクションリサーチという名のホスト遊びを謳歌しつつ、という感じですね。