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第三の理由は?

 奇しくも6月29日には、高知地裁の裁判員裁判で、検察庁舎で放火未遂事件を起こした男(97)に懲役5年の実刑判決が言い渡され、“最高齢記録”が更新されたばかり。実刑か否かは事案の重大性や犯行の悪質性による面が大きく、被告の年齢が過度に考慮されることはないというのが、第三の理由だ。

 刑事訴訟法では、実刑判決を言い渡されても、「刑の執行で著しく健康を害するおそれがある」「70歳以上である」などの理由があれば、執行を停止できるとも定められている。ただ、刑務所長や被告本人から上申を受けて審査するのは検察官。社会的な反響が大きく、遺族の処罰感情も強い本件では、執行停止のハードルはより高くなりそうだ。

実況見分での飯塚幸三被告 ©文藝春秋

 飯塚被告はこれまでの公判にすべて車いすで出廷し、被告人質問では「足のふらつきがあり、パーキンソン症候群の可能性があると診断された」と説明。しかし、7月15日の公判では証言台につかまるようにして自力で立ち上がり、「アクセルとブレーキを踏み間違えた記憶はまったくない」とはっきりとした口調で話すなど、健康状態に大きな問題は見られない。

 被害者参加制度を利用して公判のたびに法廷に足を運び、結審まで飯塚被告の様子を見続けた遺族は「被告には罪と2人の命、遺族の無念に向き合う時間と場所が必要だ」と語っている。

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