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「他の芸人さんより技術がない」ジャルジャルが語った“次世代の戦い方”《神コント「しょぼい新入社員だと思ったらすごい奴」の裏側》

2021/07/31

 2009年から出演した「爆笑レッドシアター」(フジテレビ系)で一世を風靡し、2010年11月からは「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ系)のレギュラーに抜擢。2020年には13回目の挑戦にして、コント頂上決戦「キングオブコント」の13代目キングとなったジャルジャル(後藤淳平・福徳秀介)だが、現在レギュラー番組は0本。テレビで見かけることは少なくなったように感じられるかもしれない。

 だが、それは彼らの“主戦場”が別の場所に移っただけだ。

 今となっては芸人がYouTubeチャンネルを持つのが当たり前となっているが、ジャルジャルは2018年2月に、誰よりも早くYouTubeチャンネル『ジャルジャルタワー(JARUJARU TOWER)』を開設。単独ライブのネタに入りきらなかった“ネタのタネ”を、毎日1本ずつ更新してきた。現在の登録者数は119万人、総再生回数は5億回突破と、圧倒的な人気を誇っている。

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ジャルジャル 撮影/平松市聖 ©文藝春秋

 そんな彼らが昨年8月、新たに開設したのが『ジャルジャルアイランド(JARUJARU ISLAND)』だ。美容室やバーなど実際にある場所を使ったコント、のん、YOASOBI、GENERATIONSなど実在する有名人とのコント、電話やZoomといった実際に利用する通信ツールを使ったコント、ネタサロン『ジャルジャルに興味ある奴』の会員と一緒に演じるコント――。 “ジャルジャルタワーの住人”と称するキャラクターと現実を融合させた、新しいかたちのコントを配信し続けている。

 変わったキャラクターや、ジャルジャルらしいシュールな世界観に目が行きがちだが、彼らのコントはそれだけではない。いま急速に形を変える社会への鋭い風刺すらも感じさせるリアリティを内包しているのだ。

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コントの作り方は?「即興です!」

――『ジャルジャルアイランド』と『ジャルジャルタワー』がありますが、どうすみ分けをしているんですか?

後藤 スタッフさんから、まずネタを上に積み上げていって『タワー』を作っていく。で、島のように横へネタを広げていく『アイランド』をやりたいと説明されたことがあったんです。僕らも面白そうやなと思っていて、昨年、それをかたちにしてくれました。1発目としてあげたオールバックのコントはだいぶ前に撮った地味めなネタやったんですけど、いい感じに観てもらえて幸先がよかったというか。最初から多くの人に観てもらえてラッキーでしたね。

――どのネタも即興に近いかたちで作られていくそうですね。

福徳 即興と言いながらも、即興ではないんですけどね。説明が難しくていちばんわかりやすく、且つ近い表現としてそう言っているだけです。どういう感じで進めてるかと聞かれても、結局、即興ですとしか伝えられへんというか。説明しても変な感じになりそうやから、そう伝えてます。

ジャルジャル・福徳秀介 撮影/平松市聖 ©文藝春秋

――例えば、具体的にはどのように?

福徳 即興です!