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脳を刺激して健康寿命を延ばす!

認知症は、歳を取れば誰でも発症しうる身近な病気になっている。認知症の発症リスクを抑え、もしも病気になっても自分らしく暮らしていくには備えが欠かせない。長寿時代を生きるうえで役立つ商品やサービスを紹介する。

【第1部】 認知症編 
早めの対策で未来が変わる! 認知症は予防や早期発見がカギ

厚生労働省の推計では、2025年には65歳以上の7人に1人は認知症になると考えられている。だれもが認知症になる可能性があるが、予防や早期発見によって、自分らしく生きる時間を長くすることは可能だ。

認知症の前段階で早めに対策に取り組む

「最近、物忘れが多くなったけれど、ひょっとして認知症のはじまり?」――。歳をとると、こんなふうに不安を感じる場面が増えてくる。テレビのタレントの名前が出てこない、朝食のメニューが出てこない程度なら問題はない。しかし大事な約束を忘れたり、ご飯を食べたこと自体を忘れているなら、それは認知症のサインかもしれない。

 認知症とは、脳の病気や障害などで認知機能が低下して、日常生活に支障が出てくる状態のことだ。原因としてはアルツハイマー病が最多。最近では治療法の研究が進み、アルツハイマー病に対しては、進行を緩やかにする薬なども開発・実用化されている。ただし、アルツハイマー病の根本治療は現時点では難しい。

 大事なのは、認知症になる前段階で異変を発見し、発症を予防することだ。認知症になる前段階は「MCI(軽度認知障害)」と呼ばれ、その約半数は5年以内に認知症に移行するといわれている。しかしMCIの段階であれば、生活習慣の改善や専門医の指導などによって健常にもどることも可能とされる。

 病院にかかるのは気が重いと感じるかもしれないが、早めのアクションが人生を左右するとあれば、面倒がってもいられない。「最近、物忘れがひどいかもしれない」「家族は認知症ではないか」と感じる出来事があれば、早めに医療機関を受診しておこう。

認知症になる前にやっておくべきお金の準備


 認知症で意思能力がなくなると、契約を結んだり、不動産を売買するといった法律行為は無効になる。家族がお金に困らないように備えておきたいと考えるなら、元気なうちに保険や家族信託などの準備をしておきたい。

 例えば遺言書を残しておけば、財産をめぐる家族同士の揉め事を防げるほか、介護を担う家族へ感謝の思いとして財産を残したり、財産の一部を社会貢献団体へ寄付する遺贈を行うこともできる。

 費用をかけずにすぐに取り掛かれるのは自筆証書遺言だ。自筆証書遺言の法務局保管制度を利用すれば、紛失や変造などのリスクなく、安全に遺言書を管理できる。形式に不備があると無効になる恐れがあるため、内容について心配があれば専門家に相談しておこう。