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伝説のヤクザが足を洗って「専業主夫」に…フリーランス、共働き、48歳男性の心に『極主夫道』が刺さった理由

2021/09/10
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 2018年より「くらげバンチ」で連載され、2020年に玉木宏主演でテレビドラマ化、2021年にはアニメ化もされた、おおのこうすけ先生の『極主夫道』

©おおのこうすけ(新潮社)

 極道と主夫という、あまりに世界が乖離した肩書きの邂逅で生じるギャップの数々で笑わせてくれるギャグ漫画であることは間違いない。

 だが、その一方で絶対に楽な稼業ではない主夫&主婦にエールを送り、時にはピシッと律してくれる作品であることも否めない。

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心に刺さったエピソードをピックアップ

 そう読めるのは、俺(48歳)も専業ではないが主夫みたいなもんだからだ。同じフリーライターの妻、もうすぐ4歳になる息子の3人で暮らしているわけだが、妻も俺も薄利多売な商売ゆえにひたすら仕事。当然のごとく、掃除や洗濯といった家事、保育園の送り迎えや寝かしつけをはじめとする育児もやらねばならぬ。やらなければ、家が回らない。もはや仕事以外は家事育児をするのみ。共働きで子持ち、さらに夫婦揃ってフリーランスの家庭なんて、どこもこんなもんだろうとは思う。でも、わかっていても「なにやってんだろ……」「やってらんねぇな……」と心が折れそうになる時がある。

 そんな時に叱咤激励してくれたのが、この『極主夫道』だ。我が家と同じようなシチュエーションにある方々のためにも、俺の心に刺さり、背中を押してくれたエピソードを3つばかりピックアップしたい。