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若い世代が亡くなる新型コロナ第5波 その陰に「無自覚の糖尿病」が存在……五輪開会式聖火ランナー・大橋博樹医師が語る

 この地区で言うと、30、40歳代の開業の先生が増えたので、積極的に診ていただいています。でも、開業医は一般に年齢が高い人が多く、60歳以上で基礎疾患がある医師には、ワクチン接種で頑張っていただくしかありません。高齢者の長期入院患者が多い中小病院でも、半年から1年かけて今の患者さんに転院してもらってワンフロアを空ければ、コロナ対応はできると思います。現在の数%の病床しかコロナ患者を受け入れていないという状態は、本来、あり得ないことです。知事の権限できちんと政策的な医療体制を作ることができる、そういう文化を作らなければいけません。今はその岐路にあるのではないでしょうか。

オリンピック開会式の聖火ランナー かかりつけ医の代表として

――ところで、オリンピックの開会式をテレビで見ていたら、読売新聞の医療健康サイト「ヨミドクター」でコラム「かかりつけ医のお仕事」を連載していただいている大橋さんが登場したのでとても驚きました。

 7月の初めに組織委員会から連絡が来て、開会式で何かをやってほしいという話でした。「なんで私ですか」ときくと、コロナの診療を頑張られているかかりつけの医師ということですと言われました。守秘義務に関する書類がたくさん送られてきて、本番の7月23日の10日前に「聖火に決まりました」と電話を受けて、長嶋さんたちの後と聞いたのは3日前。前日の通しの練習で、車いすの長嶋さんとお目にかかった時には失神しそうになりました(笑)。あの時、第5波がこんなにすごいことになるのを想定していたら、お断りしていたかもしれません。

――第5波の収束に向けて、気がかりなことはありますか。

 小学生や中学生は、僕らのデータでも親からうつるケースがほとんどだったんですが、夏休みの後半ぐらいから、中学生では部活だったり、感染源がわからなかったり、という人が出てきました。学校が始まってどうなるのか、それを一番心配しています。そして、ワクチンを2回打った後に、コロナ感染で亡くなったり、重症化したりする人はごく少ないので、本気でワクチンをやることが大事です。ワクチン接種率は7割でなく、8割、9割を目指して頑張る必要があると思っています。

大橋博樹(おおはし・ひろき)
多摩ファミリークリニック院長、日本プライマリ・ケア連合学会副理事長
1974年東京都中野区生まれ。獨協医大卒、武蔵野赤十字病院で臨床研修後、聖マリアンナ医大病院総合診療内科・救命救急センター、筑波大病院総合診療科、亀田総合病院家庭医診療科勤務の後、2006年川崎市立多摩病院総合診療科医長、2010年、多摩ファミリークリニック開業。

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