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2021/09/14

科学的に正しくない記述(5)
「卵巣にmRNAが蓄積する」

 もう一つ、不妊の誤情報としてよく出回っているのが、次のような主張です。

©iStock.com

〈筋注したmRNAワクチンが体内のどこに運ばれ、どのように代謝されるのか。(中略)接種部位、脾臓、肝臓に多いことは想定内。体内に入り込んだ脂質ナノ粒子を白血球が貪食し、それが脾臓や肝臓にたまって、高濃度に蓄積したものと考えられる。しかし意外なのは、卵巣である。卵巣に高濃度のmRNAが見られた。(中略)卵巣を構成する細胞のDNAに取り込まれ、次世代に悪影響を与えるのではないか。つまり、不妊になる可能性が懸念される〉(『コロナワクチンの恐ろしさ』p.117~118)

 そもそも、mRNAが卵巣に蓄積することを示すデータは一つも存在しません。例えば、日本のPMDA(医薬品医療機器総合機構)が、ワクチン投与後に成分がどれだけ卵巣に蓄積するのかを調査したデータがあります。調査によると、投与から2日後、卵巣での成分濃度は約0・095%でした。この数値では「蓄積している」とは言えず、卵巣に影響を及ぼすレベルではありません。

 また男性不妊にも触れておくと、これまでの調査でワクチン接種による男性不妊の報告はありません。逆に海外では、新型コロナから回復した男性の精子が減少しているという報告が複数出てきています。

 子育て世代の方にも、ワクチン接種が推奨されるべきでしょう。