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2021/09/14

科学的に正しくない記述(6)
「ワクチンを打つと逆に重症化する」

井上正康・坂の上 零『コロナワクチン幻想を切る』ヒカルランド

〈変異しやすいRNAウイルスの場合は抗体ができることにより細胞内でウイルスが爆発的に増加する抗体依存性感染増強(ADE)という現象が起こり、逆に重症化する可能性があります。(中略)SARSの際にも、今回のようにワクチンが注目されましたが、ADEの可能性があることがわかり開発が中断されました〉(井上正康・坂の上零『コロナワクチン幻想を切る』ヒカルランド、p.86~87)

 ワクチンを打つことで重症化するという主張も散見されます。

 一度ウイルスに感染した人や、ワクチンを打った人は、該当するウイルスに対する抗体が体内で作られます。この抗体が中途半端な形で出来てしまった場合、逆にウイルスがヒトの細胞に入り込むのを助けてしまい、症状が悪化することがあるのです。これをADEと呼びます。

 ADEは確かに、mRNAワクチンの懸念材料ではありましたが、現時点ではワクチン接種によるADEの報告は上がってきていません。これだけ世界中で接種が進んでいながら一例も報告がないということは、新型コロナワクチンでのADEは起こらない、または、起こるとしても極めて稀なことだろうと言えます。