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2021/09/15

被災自治体の外郭団体としてあるまじき“4つの不正”

 今回の連載で私が告発した、「神戸サンセンタープラザ」の、阪神大震災から現在に至るまでに犯した、被災自治体の外郭団体としてあるまじき不正は、4つある。

 1つ目は、さんプラザビル高層階が公費解体されたにもかかわらず、その事実を、所有者に隠し、工事費「4億5000万円」の“架空請求”を続けたこと。

 2つ目は、その“架空請求”の事実を隠すため、国が被災者救済のために設けた「公費解体」制度において、虚偽の申告を行い、制度を悪用したこと。

 3つ目は、「4億5000万円」の“架空請求”から、「約929万円」の“架空債権”を捏造し、訴訟相手の大倉産業だけでなく、裁判所にまで虚偽の主張をしたこと。

 そして4つ目は、高層階の所有者を排除するために、その“架空債権”の一部を元「地上げ屋」に売り渡したこと、である。

 このうち2つは、今のサン社にとって、もはや「過去のあやまち」として、忘れたいことなのかもしれない。が、残念ながら、それらはすべて、現在進行形の残りの2つに繋がっている。

 そして、ひいてはそれが、さんプラザビルの建て替えを妨げている、高層階をめぐる訴訟を徒らに長引かせているだけでなく、新たな訴訟をも生み出しているのだ。

 つまりサン社は、阪神大震災以降、四半世紀にわたって、嘘に嘘を重ねてきたことによって、自らの首を、今も締め続けているわけである。

神戸市は傍観しているだけでいいのか

 だが、そのサン社を管理・監督する立場にある神戸市も、「当面は推移を見ていく」(#3参照)などと、ただ傍観しているだけで果たして、いいのだろうか。

 これまで私が指摘してきたサン社による数々の不正は、阪神大震災における神戸市の復興行政の「正当性」を揺るがせかねない、「過去のあやまち」だけではない。

 特に4つ目は、神戸市のコンプライアンス条例に抵触しかねない“禁じ手”であり、かつ、目下、同市が推し進める「三宮再整備」の手法についても、疑問を抱かざるを得ない話だ。

「外郭団体に対するコンプライアンスの徹底」を掲げる神戸市にはそれこそ、「徹底」した検証を求めたい。

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