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【告発スクープ】小6女子をいじめ自殺に追い込んだ「一人一台端末」の恐怖

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【告発スクープ】小6女子をいじめ自殺に追い込んだ「一人一台端末」の恐怖

子供たちに「一人一台端末」を配る国の「GIGAスクール構想」の被害者が出た。昨年、全国に先駆けて端末を配った東京都町田市のICT推進校で、小6の女の子がいじめを苦に自殺したのだ。配布端末のIDは出席番号、パスワードは全員「123456789」で、なりすまし被害が横行していた。当時の校長は、20年以上前からICTを学校教育に取り入れてきた先駆者で、GIGAスクール構想の旗振り役として知られる人物だった――。

筆者撮影 2020年11月30日、小学六年生で自ら命を絶った山根詩織さん(仮名) - 筆者撮影

学校で配られた端末でYouTube見放題

「あれ、和哉(仮名)、まだYouTube見ているの?」

昨年9月某日の夜11時。ベッドの上で寝転びながら、動画を見ている小学6年生(当時)の和哉さんを見て、母の鈴木愛菜さん(仮名)は驚いた。鈴木家では夜9時以降、クロームブックは使えない設定にしていた。「宿題をやっていた」と言い訳する和哉さんからクロームブックを取り上げて、YouTubeからログアウトしてみたら、家庭で使っているIDとは別のものが入っていた。

「005○○-○○○」

それは、和哉さんの学校で配られたクロームブックのIDだった。

昨年の5月下旬、和哉さんが通う町田市立小学校では、休校中の学習に使えるようにと6年生に一人一台、クロームブックが配られた。

文科省が推進する「GIGAスクール構想」――学校のインターネット環境を整備し、生徒一人に一台ずつ端末を配って教育の情報化を進めていく――で、全国の自治体に「一人一台端末」が行き渡ったのは、今年3月末のこと。この学校での配布はこれより10カ月も早い。一学年だけとはいえ一人一台を配備できたのは、ICT教育推進に熱心なA校長(当時)の方針だった。

A校長は20年以上前から授業でICTを取り入れてきた先駆者で、現在のGIGAスクール構想につながる「学校教育の情報化に関する懇談会」(2010年~2013年、座長・安西祐一郎氏)に第一回から参加。ほかにも文科省の「教育の情報化に関する手引」作成委員(2009年)、「学びのイノベーション推進協議会」委員(2011~2014年)を務めるなど、日本のICT教育推進の旗振り役として知られている。