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genre : ライフ, 人生相談

迫る母親の死、さらに息子が腐り始めて足を引っ張る

美容師の仕事をしながら、母親のケアをしている蜂谷さんは、それだけでいっぱいいっぱいだったが、この後、新たな厄介事が起こる。ひとり息子だ。

2013年夏、中学3年生になっていた息子は、ラグビー部の全国大会で優勝。息子の活躍は、新聞や雑誌に取り上げられた。

中高一貫校だったので、そのまま高等部へ進学するも、高等部のラグビー部監督と合わず、だんだん練習に参加しなくなっていく。蜂谷さんは練習に行くよう促すが、夫は「嫌なら休めばいい」と言う。

息子は練習を休むと、病院まで10キロの道のりを、自転車で祖母に会いに行った。小遣いをねだるためだ。

2014年、息子はますます部活を休みがちになる。蜂谷さんが小言を言うと反発し、その度に部屋の壁に穴を開けた。

一方、母親は、入院中にもかかわらず、「服がないから持ってこい」と言い、言うことを聞いて服を持ち込むと、看護師さんに「服は十分あります」と注意された。

「読んでいた漫画を突然取り上げてビリビリに破かれるなど、母とのいい思い出がなく、入院させて申し訳ないとか後ろめたいといった気持ちもありませんでした。でも、オシャレが大好きだった母なので、せめて服くらいはと思いました。入院生活が長くなり、私にも多少、母を憐れむ気持ちが出てきたのかもしれません」

蜂谷さんは毎週、面会だけは欠かさなかった。

母の葬儀の準備中、息子は「明日ディズニーランドへ行きたい」と

2015年1月。仕事を終えてスーパーへ行き、帰宅直後に病院から電話が入った。

「お母さんの意識がありません。これから救急車で○○病院へ向かいますので来てください」

金曜の夜で、夫も息子も家にいたが、蜂谷さんは一人で向かう。念のため母親の弟夫婦と妹に連絡を入れると、従兄弟が来てくれた。診察室に通されたのは0時ごろ。従兄弟が「先生、あとどのくらいもつんだい?」と訊ねると、「1〜2日でしょう」と医師は答えた。重度の腸閉塞だった。

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