昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

source : 提携メディア

genre : ライフ, 人生相談

GW明けから息子は学校の授業も休むようになり、「何をやってもうまくいかない。頭がおかしくなりそうだからメンタルクリニックに連れて行け」と蜂谷さんに言う。連れて行くと、漢方薬を処方されたが、息子は「お腹が緩くなる」と言って3日で飲むのをやめてしまった。

家出して彼女の家に行った息子、書き置きの手紙は誤字脱字だらけ

8月。仕事が終わって帰宅すると、7月末から無職になった夫から息子が家を出て行ったことを知らされる。誤字脱字だらけの書き置きの手紙には、自殺まで考えた息子の気持ちが書いてあった。

夫がなんとか連絡を取ると、息子は彼女の家におり、数日後に帰宅。彼女とはSNSで知り合い、祖母の葬儀の翌日も、その娘とディズニーランドへ行っていたようだ。息子は義母に小遣いをせびりに行ったこともあるらしく、ある晩に、蜂谷さんは義母から電話で、「どういう教育しているの?」と罵声を浴びせられたそうだ。義母が断ると、息子は「クソババア! 二度と家に来るな!」と捨て台詞を残して去った。

その一件以来、息子は自室にこもってしまった。夏休みの終わり、幸い夫の再就職先は決まったが、息子は大学受験対策の予備校の夏期講習に一度も行かず、予備校も辞めた。

「あいつ、お前の金、全部持ってったぞ」

新学期が始まった。朝5時ごろ、息子と夫が言い争う声で蜂谷さんは目覚める。夫は「行くな!」と必死に呼び止めるが、息子は出て行った。立ちすくむ蜂谷さんに夫は言った。

「あいつ、お前の金、全部持ってったぞ。俺のは取り返したけどな」

蜂谷さんが慌てて財布を見ると、昨日おろしたばかりのお金が全部抜き取られていた。もはや「善悪の区別もつかなくなったのか」と、蜂谷さんは呆然とした。

われに返った蜂谷さんは、息子の彼女の母親に電話をかけた。すると彼女も家出をしたという。動機、息切れ、めまいが蜂谷さんを襲うが、それでも蜂谷さんは店を開けた。

夜、彼女の母親と連絡を取り合う。聞けば、彼女は高校を辞めて住み込みで働きたいと言っているという。結局、数日して息子は帰ってきて、仕事を探したが、見つからなかったらしい。小言を言う蜂谷さんを制して、夫は息子を咎めなかった。

z