「だって、踊れないじゃない?」
嵐とSMAPの共演が少ないことについては、「別に、意味というのはないと思うんですけれども……」と、くぐもった声で答えた。
その瞬間だった。
「だって、踊れないじゃない?」
それまでジッと飯島氏を黙って睨みつけていたメリー氏が、堰を切ったように語り始めたのだ。
「だって(共演しようにも)SMAPは踊れないじゃないですか。あなた、タレント見ていて踊りの違いってわからないんですか? それで、そういうことをお書きになったら失礼よ。(SMAPは)踊れる子たちから見れば、踊れません」
メリー氏はここから飯島氏およびSMAPを徹底的に否定していく。
「この人(飯島氏)はSMAPが長すぎているのかもしれませんね」
「悪いけど私、飯島に踊りを踊れる子を預けられないもの」
「文春さんがはっきり聞いているんだから、対立するならSMAPを連れていっても今日から出て行ってもらう。あなたは辞めなさい」
「この人(飯島氏)なんて偉そうに派閥なんて言っているけど、じゃ、派閥の子の名前を言ってごらん?」
「もしジュリーと飯島が問題になっているなら、私はジュリーを残します。自分の子だから。飯島は辞めさせます。それしかない」
トップは「近藤真彦です」
「うちのトップはマッチです。SMAPじゃありません。失礼なこと聞かないでください」
われわれ記者に語りかける形だがメリー氏が追及の手を緩めることはない。飯島氏はずっと下を向いている。そしてついに直接こう問い質したのだった。
「飯島、うちのトップは誰!?」
メリー氏はまさに“踏み絵”を迫ったのだ。飯島氏は下を向いたまま間髪を入れず、こう答えた。
「近藤真彦です」
このときの、肩を落とした飯島氏の姿が忘れられない。大勢の前でプライドを踏みにじられ、腸が煮えくり返る思いだったに違いない。
◆
「『ジャニーズ女帝』メリーさんに叱られた」は、文藝春秋「2021年10月号」と「文藝春秋digital」に掲載されています。

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2021年9月10日 発売
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