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2021/10/07

source : 文藝春秋 2014年5月号

genre : ニュース, 社会

秋篠宮家と宮内庁の“風通し”は?

 以前、私は宮内庁担当の記者だった。私の記憶では、当時の秋篠宮家は、国内の公的活動も外国訪問も宮務官が宮さまご夫妻と相談しながら、主に決めていた。あくまでも「宮家が主で宮内庁は従」だったように思う。だから我々、宮内記者たちは宮家に押し寄せては宮務官に「次の外国訪問先は決まりましたか?」「来週の殿下のご予定は」などと、ほとんど応えてもらえないのに、懸命に取材していた。逆に当時の宮務課長は今ほど忙しくない印象で、各社もほとんど取材に訪れなかったように思う。

「宮内庁と秋篠宮ご一家との間の風通しが、以前に比べ、ぐっと良くなりました」と、関係者は評価する。宮内庁に限らず日本の官公庁の大きな弊害は、縦割り行政にある。組織相互の横の連絡が少ないのが特徴だ。

2021年、悠仁さまのお誕生日に際してのご近影 宮内庁提供

 秋篠宮家と宮内庁との関係も似ている。縦割り行政の弊害は残っており、これまでの両者の意思疎通は必ずしも十分とは言えなかった。両者は、場所も離れている。秋篠宮家は東京都港区元赤坂の赤坂御用地にある。一方、宮内庁は、御所のある千代田区千代田にある。車で20分ほどの距離だ。電話や電子メールのやりとりでは済まされるはずもない。宮内庁幹部が宮邸に足を運び、ご夫妻と直接、話しあう中で、十分な意思の疎通が生まれ、風通しが良くなるのだ。

眞子さまに伝えた「感謝の気持ちを忘れないように」

 宮内庁には、長官官房系の職種以外に、大膳課、工務課、朝早くから馬の世話をする車馬課主馬班。それに園遊会の前には見事な懸崖(けんがい)のキクを作る庭園課などなど、管理部に属する多くの部署にも、様々な職員がいて、日々、両陛下や秋篠宮ご一家などを支えている。秋篠宮さまと紀子さまは、眞子さまたちが小さいころから、宮内庁には、自分たちの生活や仕事をいろいろな形で支える職員がいることを3人の子どもたちに伝え、感謝の気持ちを忘れないように話している。

悠仁さまと紀子さま ©JMPA

「宮家と宮内庁が協力して仕事をするようになり、両者の一体感が生まれ、宮家運営がよりスムーズになった。宮家の職員不足も補うことができ、まさに一石二鳥の効果だ」と、関係者は満足な様子だ。

 また、宮務課長は、現職も入れて3代続けて両陛下側近の侍従経験者だということも大きい。秋篠宮家と両陛下側近との風通しを良くすることにも役立っているという。

「公的活動や外国訪問はどれも、一宮家レベルを越え、宮内庁全体で考えるべき問題ではなかろうか。適切な人が対応すればよいのだ。人員(予算)を増やすのではなく、どのようにしたら限られた人員で効率よく業務を遂行できるかということが大切です」と、宮さまは話した。こんなところにも、宮さまの柔軟な考え方、姿勢が表れている。

#3へ続く)

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