X氏にパワハラについて尋ねると…
――柏田さん(質問は実名・以下同)に対してパワハラをしていたと聞いている。
「それはないですけど」
――長時間にわたってXさんの指示で働かされていた。
「それはぼくも同じような状況でしたので」
――毎日のように叱責も。
「(しばらく沈黙後)仕事上のことですので……、叱責というか指導ですね」
――柏田さんの様子をどう感じていたのか。
「ちょっとこっちもパニックになっていますので。切らせて頂いていいですか」
OHKに柏田さんへのパワハラや長時間労働について問うと、コンプライアンス担当の局長が回答した。
「弊社では経営管理部において社員からの報告や相談を受ける体制を整えております。しかし、今回の件について、柏田社員から該当する事案の報告や相談はありませんでした。過度な叱責の事実についても認められませんでした。自己申告の勤務記録上では過重労働は確認できておりません」
ハナコの所属事務所に柏田さんへのパワハラや訃報について尋ねたところ、
「収録では特段(パワハラを)感じたことはありませんでした。番組では色々とお世話になっていたので大変にショックです。今は、ご冥福を心よりお祈り申し上げます」と答えた。
OHKは8月3日、中静敬一郎社長名で社員宛てに「みなさんへのメッセージ」と題する声明を社内ポータルサイトにアップ。そこには〈(柏田さんが)亡くなった原因について、個人情報に十分配慮しながら公私にわたり調べていますが、現在のところ、よくわからないとしかいいようがないのです〉と書かれている。
柏田さんの母は「なぜ息子が死ななければならなかったのか」
8月22日の四十九日法要後、柏田さんの母は慟哭しながらこう語った。
「5月の放送を観た時、本人の様子が明らかにおかしかったのですぐに連絡したのですが、口数が少なく元気がありませんでした。昨年から『コロナをうつしてはいけないから』と気を遣って実家には戻ってこなかった。昨年の正月に会ったのが最後になるなんて……」
さらにこう続ける。
「私たちを訪問した幹部の局長にパワハラについて聞くと、『昔ながらのやり方があったかもしれません。でもグレーゾーンです』と言われました。会社の調査には疑問を持っています。なぜ息子が死ななければならなかったのか、とにかく真相が知りたいのです」
遺族は会社側の対応次第で訴訟も検討している。
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「週刊文春 電子版」では続報「社員入水自殺6日後に“くす玉割り” 岡山放送 現場の40%が『パワハラを感じる』」を掲載している。

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