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「コロナ太り」が招くがんのリスク 検診の受診率減少で進行がん増加の懸念

source : 提携メディア

genre : ライフ, 医療

「コロナ太り」が招くがんのリスク 検診の受診率減少で進行がん増加の懸念

テレワークで体重増加 座りすぎはがんを増やす

 「がんの話をしよう」は今回が最終回です。最後は、やはり、コロナとがんの話をしようと思います。

 ある民間の調査で、30歳代~40歳代のテレワークを経験したことがある会社員1000人以上を対象に、「コロナ太り」に関するインターネットのアンケートが実施されました。「テレワークや自粛期間を経て、太ったと思いますか?」と質問したところ、63%が「はい」と回答しています。太ったと回答した人の約半数が3kg以上の体重増となっています。中には10kg以上も増えてしまった方もいるようです。

 肥満は肝臓がん、大腸がん、乳がんなどを増やしますが、肥満から糖尿病を発症すると、さらにがんのリスクが高まります。

 糖尿病はがん全体の発症リスクを約2割増やします。膵臓(すいぞう)がん、肝臓がんでは2倍にもなります。糖尿病患者の死因の4割近くが、がんです。とくに、急激に血糖値が上がるケースでは、膵臓がんを疑う必要があります。

 テレワークは座っている時間を増やしますが、座りすぎはがんを増やしますから、要注意。別の民間調査によると、在宅勤務中の20歳代~50歳代の会社員を対象にしたアンケートの結果、約8割の人が、「座って仕事する時間が増えた」と回答しています。

 1~3時間未満増えた人が4割強で最も多く、3~5時間未満が約2割、5時間以上との回答も2割弱ありました。もともと、座って仕事をする時間が世界でもトップクラスの日本で、新型コロナ感染症は座りすぎをさらに助長させているわけです。

 約8000人に加速度計を装着してもらい、座っている時間と動いている時間を連続する7日にわたって、正確に調べ、がん死亡などの関連を調べた米国での大規模調査があります。

 その結果、肥満や喫煙などのリスクファクターを調整しても、長く座っている人にがん死亡が多いことが明らかになりました。がんで亡くなった268人を、座る時間の長さで比較したところ、最も長いグループは最も短いグループに比べて82%も死亡リスクが高いことが分かりました。