昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

高精度放射線治療装置2台導入 地域のがん治療拡充に貢献

愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院

2021/10/29

人口約19万の愛知県安城市で中核病院として機能する安城更生病院(749床)は、がん放射線治療の需要増加を見据え、治療装置の大幅な拡充を図った。放射線治療科の竹内亜里紗医師に、がん治療と地域への貢献について聞いた。

放射線治療部長

竹内 亜里紗 Takeuchi Arisa

2009年愛知医科大学卒業。愛知県がんセンター、愛知医科大学病院を経て2021年より現職。医学博士。日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医。

がん放射線治療の高度化で患者のQOL向上を目指す

 当院の放射線治療装置は長く1台体制でしたが、2021年6月にサイバーナイフとラディザクトを導入し、高精度放射線治療センターも新設しました。背景には、近隣病院の放射線治療装置更新の中止や、高齢化等に伴うがん患者の増加があります。

 安城市が属する西三河南部西医療圏は、2040年までの65歳以上の人口増加率が県平均よりも高い一方で、自動車関連企業に勤める働き世代も多いことが特徴です。幅広いがんの患者さんに対応するためにも、治療体制の強化は必須と考えました。

広範囲に照射でき、周辺臓器への影響は最小限に抑えられるラディザクト
広範囲に照射でき、周辺臓器への影響は最小限に抑えられるラディザクト

 そこで、ピンポイント照射が特徴の定位放射線治療装置サイバーナイフの導入をまず決め、次に、幅広い部位に対応できる強度変調放射線治療装置ラディザクトを選びました。がんの部位や大きさ、形などにより、2つの装置を使い分けています。例えば、肺がんのⅠ期はサイバーナイフ、Ⅱ期以降はリンパ節転移も含めてラディザクト、脳転移では、10個程度まではサイバーナイフ、もっと多い場合はラディザクトでリスク部位を避けた全脳照射というように、最適な方法を選ぶのです。

 当科に紹介されてくる方の多くはがん患者さんです。全患者さんについて私を含む放射線治療専門医2人で情報を共有し、治療方針も確認し合って治療を進めていきます。また、医師、看護師(がん放射線療法看護認定看護師を含む)、診療放射線技師、医学物理士によるカンファレンスを毎日行い、患者情報の共有、意見交換により診療の質の向上に努めています。

ピンポイント照射が特徴のサイバーナイフ。治療期間が短いという利点も
ピンポイント照射が特徴のサイバーナイフ。治療期間が短いという利点も

 他科とも十分に連携し、特に放射線診断科とは、精度の高い治療計画作成に欠かせないMRI画像撮像などで強い信頼関係にあります。

 高精度放射線治療をしっかりと提供することで、患者さんは遠方の病院まで行かずにすみ、化学療法との併用が容易になり、仕事や育児、介護との両立もしやすくなります。できるだけ普段の生活を送りながらがんの治療をしたいという患者さんの願いをかなえるために、努力を続けていきます。

INFORMATION

愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院

〒446-8602
愛知県安城市安城町東広畔28番地
TEL.0566-75-2111
https://anjokosei.jp

出典 : 文春ムック スーパードクターに教わる最新治療2021-2022