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中古車に集まる注目 カワサキの140万円の新型バイクが「5000キロ走行、200万円」でも飛ぶように売れるワケ

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カワサキの140万円の新型バイクが「5000キロ走行、200万円」でも飛ぶように売れるワケ

中古バイク価格が異常な高騰を記録している。ライターの伊丹孝裕さんは「コロナ禍で新車の供給が滞り、納車まで1年待ちというのもザラだ。そこですぐに乗れる中古車に注目が集まり、さらにバイクブームが拍車をかけることになった」という――。

写真=iStock.com/joey333 ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/joey333

バイクメーカーはこぞって業績を上方修正

今、国内のバイク市場が盛り上がっている。YouTubeを筆頭とする動画メディアではしばしば有名人の愛車が紹介され、バイクの高価買取をうたうCMを目にする機会も多い。高速道路のサービスエリアや道の駅に集うライダーの数は明らかに増加傾向にあり、国内外の多くのメーカーが2021年の好調な業績を報告、あるいはその見通しに上方修正を加えている。

軽2輪(125cc超~250cc以下)と小型2輪(250cc超~)を合算した新車販売台数を見ていくと、ブームはおよそ10年周期で繰り返されてきたことが分かる。1969年から1970年にかけては82%増(6万5757台→11万9500台)、1979年から1980年は50%増(8万2634台→12万4008台)の伸びを見せ、以降は右肩上がりを維持。1988年にはデータ集計以来(1967年~)最多の32万4068台を記録するに至った。

それぞれの節目になにがあったのか? 要因はひとつではないものの、時折登場したエポックメイキングなモデルの影響は大きい。例えば、スポーツバイクと言えば650ccの2気筒がせいぜいだった時代に、それまでに類を見ない750cc4気筒で世界を席巻したホンダ・CB750FOUR(1969年)、レーシングマシンの技術を公道へ落とし込み、「レーサーレプリカ」という概念を作り出したヤマハ・RZ250(1980年)などが象徴的な存在だ。それらがライダー人口の増加に貢献し、80年代中盤に訪れた空前のバイクブームへと繋がったのである。

その一方、二度にわたるオイルショック(1973年/79年)、中型免許制度の導入(1975年)、行き過ぎたスペック競争に対する疲弊、バブル経済の崩壊、馬力規制、排ガス規制といった問題が足かせとなり、1988年のピークを境に生産は徐々に減少。極め付きは2008年に起こったリーマンショックで、2011年になると新車販売台数は9万2245台にまで落ち込んだ。2輪界は防戦もままならず、ニューモデルのカタログ落ち、小中規模ショップの廃業、専門誌の休刊も相次ぐことになった。