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2021/10/17

 水落が大阪偕星学園で野球部の活動を始めたのは、新型コロナの感染を防ぐ部活動自粛期間が明けた2020年6月だった。甲子園出場経験があり、プロを目指した投手でもあった水落は、大阪偕星学園でも投手を中心に指導していた。実家が治療院を経営しているということで、生徒にマッサージなどの施術をすることもあったという。

 被害者の1人、B君の母親が証言する。

「練習がハードやから投手陣もどこかしら故障を抱えていて、ヒジや肩を傷めている子も多い。だから水落先生に診てもらっていた。しかしその施術中にセクハラが行われていたんです。セクハラが続けば選手も水落先生を遠ざけるようになりますが、そういう選手には『最近けえへんな』と圧力をかけていたようです」

大阪偕星学園高校の野球部本部

写真をネタに下腹部を触る

 なぜ水落の卑劣な行為は、14名という大人数に被害が及ぶまで明るみに出なかったのだろうか。野球部の内情に詳しい人物はこう語る。

「事の発端は、室内練習場で喫煙している部員を水落が見つけたことだったようです。喫煙が公になれば高野連に報告され、公式戦への出場停止処分が下る可能性もある。水落はそれをちらつかせて、喫煙の事実を黙っているかわりに生徒にわいせつ行為を迫った。その手口に味をしめたのか、自ら生徒にタバコを吸わせたり、寮の部屋で生徒と一緒に飲酒したりしているのを写真におさめることもあり、それをネタに下腹部を触っていたようです」

水落雄基

 秘密を共有することで、わいせつ行為を口外しないよう球児を追い詰めていったのだ。

 大阪偕星学園が水落のセクハラ行為を把握したのは2021年1月だった。当時2年生だった部員が仲間との電話で「お前も触られたん?」と話していたのを母親が耳にし、問い詰めたところ息子が衝撃の事実を告白した。母親は1月14日に学校に連絡を入れ、翌15日に親子が学校に足を運んで詳細を打ち明けた。聞き取りにあたった同校の教頭がその時の驚きを話す。