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「パンツを脱がされ、口外しないように…」大阪の甲子園出場校の野球部男性コーチが球児への強制わいせつ罪で逮捕《大阪偕星学園高校、被害者は14人》

「パンツを脱がされ、口外しないように…」大阪の甲子園出場校の野球部男性コーチが球児への強制わいせつ罪で逮捕《大阪偕星学園高校、被害者は14人》

2021/10/17

「セクハラと聞いて異性によるセクハラと思ったのですが、事実を聞いて驚きました。すぐに水落を呼んで問い質すと行為を認め、淡々と13名の名前をあげたんです。その後、水落の記憶になかったひとりの被害者が名乗り出て合計で14名。こんな者を学校には置いておくわけにはいきません。すぐに懲戒解雇せなあかんと思ったんですが、手順を踏まなあかんし、本人の弁明も聞かんとあかんでしょ。真っ先にパソコンやスマートフォンに生徒の写真が残っていないか確認しました。他の場所に保存しているかまでは確認しきれませんでしたが、少なくともパソコンやスマートフォンに生徒の写真はありませんでした。15日のうちに荷物をまとめさせ、即刻福岡に帰しました。その後、学校の顧問弁護士による聞き取りのために何度か大阪に呼びました」

 水落が大阪偕星学園に勤務するようになったのは、部員が増えて新たなコーチを探していた山本監督に、奈良の中学軟式野球関係者が水落を紹介したことがきっかけだった。採用面接にあたったのは教頭である。

3年生の引退試合で投げる水落

ズボンのポケットに手を突っ込まれ

「面接では爽やかな印象を受け、非の打ち所がない受け答えだった。実際、生徒や保護者の評判も良かったようです。監督をはじめ外部コーチや寮監に厳しいタイプが多く、その中で水落は、優しい兄貴分のような立ち位置でした。選手から慕われていた分、そこにつけ込んだのかもしれません。グラウンドで吸い玉治療(カップなどを皮膚に張り付ける民間医療)を施しながら、股間をさわったこともあったと聞きました。被害者の中には、水落に『ポケットにたばこが入っているんちゃうんか』と言われ、確認と称してズボンのポケットに手を突っ込まれて股間を触られた生徒もいます」

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 セクハラをしたのはこの学校が初めてかと教頭は水落に問いかけた。

「初めてです。監督からのストレスで、最初は冗談のつもりが、だんだんエスカレートしてしまいました」

大阪府警

 ストレスがあるからって、していいことと悪いことがあるやろ。ストレスがあったら殺人してもいいのか——。そして教頭は「人間失格や」と続けた。

 今年1月に事件が発覚して以来、学校は高野連に事件を報告し、校長やスタッフらを減給処分にし、山本監督も一連の責任をとって辞任した。

 しかし後に発覚したのは、水落の男子生徒に対する異様な行為は「初めて」とは程遠いものであるという事実だった。(#2へつづく)

「パンツを脱がされ、口外しないように…」大阪の甲子園出場校の野球部男性コーチが球児への強制わいせつ罪で逮捕《大阪偕星学園高校、被害者は14人》

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