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「私は学校も許せません」男性コーチにわいせつ行為を受けた野球部員の保護者が怒った異例の“授業料催促”《大阪偕星学園高校》

「私は学校も許せません」男性コーチにわいせつ行為を受けた野球部員の保護者が怒った異例の“授業料催促”《大阪偕星学園高校》

2021/10/17
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 大阪偕星学園が保護者からの連絡を受け、水落雄基(31)のわいせつ行為を把握したのは2021年1月15日だった。水落の告白などによって14名の被害者がいることが明らかになったが、学校から被害者の保護者に連絡が届いたのは、およそ2週間後の1月28日だった。

 被害者のひとりであるD君の母親は学校の対応におおいに不満があるという。

「最初は担任の先生から電話が入ったんですが、『学校の顧問弁護士からの聞き取りがあるので、学校に来て欲しい』といきなり言われました。謝罪も説明もない状態で、何が起きたのか、息子が被害者なのか加害者なのかもわからなかった。『なんのことですか?』と確認すると『野球部で重大なことが起きました。息子さんが性的な事件の被害者として名前が挙がっています』と。私は誰に相談すればいいのかわからず、別の被害者であるB君のお母さんに連絡を入れたのです」

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大阪偕星学園高校

 そのB君の母親は、学校が事件を把握した1月15日に息子のB君から電話をもらっていた。

「電話口の息子は泣いていて、『強引に触られていた』と告白しました。息子は興奮状態で、また水落がいなくなったことで寮の中も混乱しているのか、電話の向こうがやけに騒がしかったのが印象に残っています。寮からすぐ自宅に戻らせることも考えましたが、まずは学校からの連絡を待つことにしました。それなのに一向に連絡がない。私に連絡がきたのも、Dさんと同じ2週間後(1月28日)。あまりにも対応が遅すぎます」

 その間、学校は第三者委員会を立ち上げ、14名の聞き取り調査に向けて弁護士が準備を進めていたという。

強制わいせつ罪で逮捕された水落雄基

「親にはっきり言えないような被害の話を…」

 A君、B君、C君、D君の4家族は聞き取り調査に子どもだけを参加させることを拒否し、弁護士や両親を伴って調査に応じた。

「親にはっきり言えないような被害の話を、初めて会った弁護士の方にすることが子どもにとってどれだけストレスとなるか学校は考えたのでしょうか」(B君の母親)

 加えて保護者たちは、学校に対して被害者家族だけを集めた説明会の開催を求めた。だが被害者家族すべてを集めた説明会は開かれず、弁護士を立てていた4家族だけが2月16日に学校に呼ばれることになった。