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“健康長寿”には慢性痛を克服したほうがいい

多くの人は年齢を重ねるごとに体のどこかが痛みます。近年はIT化が加速し社会構造が転換し、ましてやこの2年はコロナ禍で行動の変化が強いられています。ご高齢の人が若いころに正しかったやり方や成功体験が、これら変化の大激流のなかで通用するとは限りません。

仕事のやり方や生活習慣を見直して、今の時代にふさわしいやり方や新たな習慣、社会環境に辛抱強く適応することによって、慢性痛を克服してほしいと思います。慢性痛のない人のほうが、慢性痛のある人よりも健康寿命も平均寿命も長い、しかも認知症にもなりにくいというデータがあるからです。

年をとっても体がそれほど悪くならないようにする。長引く頭痛もまずはそこからです。いつまでもゴルフや釣り、山登り、旅行を続けたいなど、人生の夢や目標を持つことは痛みに打ち勝つ最大の武器になります。痛みがあっても前向きに幸せに生きることこそ大事なのだと思います。

西洋科学は何に対しても1に分析、2に分析で限りなく細分化されました。そのお陰で医学は進化し、日本人の寿命も延びました。しかし人間の体は一か所治せばよいと言うものでなく全体のバランスの中でどうあるべきか、しかもそれを患者さんの立場で治療を選択すべきなのです。

いい医者と二人三脚で頭痛に向き合う

頭痛を専門に診る医者は多くありません。患者から見ると医者にかかっても頭痛の症状がなかなか改善せず、そのままずるずると医者漬け、薬漬けになる傾向があります。せっかく平均寿命が延びても、このままでは健康寿命が短くなっていくように思います。

超高齢少子多死社会は、現在の社会保障制度を崩壊させつつあります。国民が健康のありがたみ、国民皆保険制度の恩恵を享受している今のうちに、痛みの治療も集学的なアプローチ(様々な医療者が連携しあって患者を診ること)を確立することが課題です。さもなければ、健康寿命と平均寿命は離れて行くでしょう。

皆さまの頭痛を一生ものにしないために、われわれ医療者も研鑽を積んでいます。皆さまも頭痛を甘く見ずに、良い医者と二人三脚で頭痛に向き合い、健康寿命を延ばしてゆきましょう。

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