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2021/11/15

source : 文藝春秋 2005年1月号

genre : ニュース, 社会, 皇室

紀宮さまからのメール

 11月14日未明、ご学友のひとりは、紀宮さまからのEメールを受け取った。

〈今朝の報道で驚かれるかもしれませんが、そういう事の運びとなりました〉

 朝日新聞が婚約内定をスクープしたその朝に、これから取材が殺到するであろう友人たちに、紀宮さまらしい気配りをされたのである。

2004年4月、吹上御苑でバードウォッチングをされる紀宮さま(当時) 宮内庁提供

「メールはお相手のことには触れず、いつもと変わりない淡々とした内容でした。そこにかえって、家を出る覚悟のような強い意志が感じられて、心の底から喜びが溢れてきました」(学習院の同級生)

 紀宮さまはご結婚によって内親王の身分を離れ、皇籍離脱される。ご両親に大切に守り育てられた東宮御所と皇居から、初めて外に一歩を踏み出されるのには、大きな決意が必要だったことだろう。

「長い間、紀宮さまはご結婚そのものに乗り気ではないご様子でした。皇后陛下とよく似ておられるのですが、純真無垢な、どことなく夢みがちなところがあって、結婚に関しても、いつか“白馬の王子様”が現われるという印象をお持ちのようでした。兄宮お二人が独立されてからは、ご両親のお側にいたいというお気持ちも強かった」(宮内庁関係者)

紀宮さまに懐いていた眞子さまと佳子さま

 そんな紀宮さまのご心境に変化が訪れたのは、2003年1月、天皇陛下が前立腺ガンの手術を受けられたことが、大きく関係していたのではないか、とこの宮内庁関係者は指摘する。

「70代に入られたこともあり、両陛下は紀宮さまのご結婚を、具体的に考えるようになられたのではないでしょうか。その現実を、紀宮さまご自身もよく理解された。また紀宮さまが将来的にはお子さまを望まれていることもあり、35歳という年齢もひとつの区切りになったのではないでしょうか」(同前)

 近年、紀宮さまは、「子どもは、ほんとうに可愛いですね」と口にするようになったという。秋篠宮家の眞子さまと佳子さまが皇居にくると長い時間、皇后陛下と4人で遊ぶ姿が見られた。お二人とも紀宮さまにたいへん懐いているという。

1997年11月、秋篠宮さまお誕生日に際してのご近影(宮内庁提供)

 ご専門のカワセミ研究のために赤坂御所を訪ねたときも秋篠宮家に立ち寄られ、カワセミの巣立つ春には、観察のために秋篠宮邸に泊まることもあった。天真爛漫な姪たちや、秋篠宮家の団欒に触れるにつけ、紀宮さまの「家庭」への憧れは、実感となっていったのかもしれない。

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