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彼女たちは、自分で何でもやってきたらからこそ、“自分の努力”でカバーできないことに、極端に不安を覚えるのかもしれません。夫の再就職は自分ではどうにもできないし、子供の夜泣きや将来も、親の努力でコントロールできるものではありません。だから彼女たちの世界はある意味、「自己完結」しているのかもしれません。

余裕があっても「一人で生きることに不安」

美容外科医の原さんのタワマンに遊びに行った時でした。マンションには24時間管理人が常駐し、スポーツジムは徒歩3分。家の真下にコンビニもあれば、都心の一等地だけあって、ウーバーイーツで有名料理店のご飯も選び放題。原さんはマンションの半径3km以内で「自己完結」した暮らしを送っていました。

ただそれも、ウーバーイーツの配達員がいるから家にいても食事がとれるわけで、コンビニの店員さんがいるから、24時間いつでも買い物ができるわけですよね。もちろんその先には流通の人や生産者の人たちがいる。言うまでもないですが、一人で生きているように思える都会の一人暮らしは、多くの人の支えがあって成り立っているのです。

結婚するかしないか、子供がいるかいないかで、人の幸せをはかることなどできません。高い社会的地位を持ち、仕事に邁進(まいしん)する彼女たちが、シングルで生きることを幸せだと感じているなら、それが一番です。

ただ、これだけ高給取りで生活に余裕がある彼女たちですら、一人で生き続けることに不安を覚えていることは確かです。これはもしかすると、いくら資産形成の方法を教えても拭えないものなのでは……と感じています。

一人でも安心して老後を迎えられる社会制度や人とのつながりがあれば、「不確定要素」を受け入れられる心の余裕も生まれるのではないか。そんな気がしてなりません。

高山 一恵(たかやま・かずえ)
Money&You 取締役/ファイナンシャルプランナー(CFPR)、1級FP技能士
慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演・執筆活動・相談業務を行い女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。著書は『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)、『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)など多数。FP Cafe運営者。

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