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「埋められて、そういう姿を想像してみい、人に頭打ち付けられて死ぬって考えてみろ」 拘置所から届いた吉原ソープを仕切る男性の“ボイスメッセージ”

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genre : ニュース, 社会

 いま、東京都台東区・吉原の風俗業に携わる人々が、行く末を注目している裁判がある。被告人は、東京都内に住む会社役員の男、A(50)。高級ソープランド「X」を仕切り、ソープ嬢とシャブセックスを行う人物として、吉原で恐れられている存在だ。

 Aは2019年12月から翌20年1月にかけ、東京都ほか複数県内において覚醒剤を使用したとして起訴されたが、弁護側は「被告人がこの期間に故意に覚醒剤を使用したことはなく、逮捕に至る手続きに重大な違法がある」と無罪を主張している。(全2回の2回目/前編を読む

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 A被告は他のソープランドにも客として訪れていた。また「趣味講習」だけでなく「客として出会った」ソープ嬢ともたびたび体の関係を持っていたという。その際に覚せい剤を使うのだった。自分にも、時に女性にもだ。再びソープ嬢が語る。

©️iStock.com

断薬への決意を見せていたが…

「行為中も、尋常じゃない汗なんです。なんだかおかしい……と激しい違和感があって。これって覚醒剤の症状じゃない? ということに後から気づきました。冬なのにすごい汗だったから……。行為が終わると、Aさんはお水を3本くらい飲み、ビールも飲みました。そのあと眠ってしまって、起きてから帰りたいですと伝えたら『もう一回したい』って。何をされるかわからないから怖くて、断れなかったです。12時間くらいホテルにいました。ラブホテルってこんなに長い時間滞在できるんだって思ったぐらいです。毅然と断ればよかったと、そもそも本番講習に行ったのが間違いだったと、今も後悔しています」

 別のソープ嬢も、こう明かした。

「炙って使用するところも見ましたし、私も勧められたことがあります。ラブホテルにはお店が終わった夜から入り、朝まで過ごしました。吉原の女の子のなかには、完全にAさんに対して恋愛モードになって、長く関係を続けていた子もいました」

 A被告は2018年10月、東京地裁における脅迫罪と覚醒剤取締法違反の法廷で、覚醒剤を今後やめられるかと弁護人に問われ「それ(薬)より楽しいこと、自分の中で見つけてきたし、何より体がもう対応できない。仲間もできたので、もういいかなと」と、覚醒剤と決別する意志を見せていた。

 さらに控訴審では「依存症のクリニックを見つけ、治療を受け始めた」とも証言。断薬への強い決意や、真摯に罪と向き合う姿勢を見せていたが、実際は刑が確定しても刑務所行きを延ばし続けてきた。