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 ともあれ、今回覚醒剤取締法違反についてA被告は「覚醒剤を故意に使ってはいない」と主張しており、目下、無罪を勝ち取るための闘いの真っ最中である。刑務所への入所を延ばし続けてきた“保釈逃亡犯”であったためか、A被告には接見禁止の措置がとられた。通常であれば、外部との手紙の発受や面会は不可能となる。初公判を前にした朝日新聞の記事において、接見禁止が長引いていることは「被告への重大な権利侵害だ」と弁護側は批判した。

 ところが、実態は異なる。

接見禁止なのに、ボイスメッセージを届けさせ

「去年あたりから、録音した音声で女の子をねぎらっているという話を耳にしました。従業員と女の子全員を集めたミーティングにも音声が流れているらしいです。代表であるにもかかわらず、姿は見せず声だけ届けているという事で、吉原一帯では、姿を見せられない場所にいるのではないか、刑務所に入ったのか、などと噂になっていました」(吉原の関係者)

 A被告は接見禁止のついている東京拘置所から、近しい人たちに自分のボイスメッセージを届けさせていたのだ。担当弁護士の1人が、接見時に録音し、その音声データをA被告の知人が受け取り、店で聞かせているのだという。

©️iStock.com

「警察署なのか拘置所なのか、とにかく会えない場所にいるということは聞かされました。でも、代表にお手紙を書くように言われ、お店の子たちは皆、応援の言葉などを書き、弁護士さんに預けていました。すると、それについての返事が音声で届く、という流れが長く続いています。かつての逮捕時も差し入れを求めてきたり、入院時にお見舞いをしなかった子がクビになったりしました。今回も周囲に金銭の差し入れを求めています」(『X』をよく知る吉原の関係者)

 担当弁護士は、お店の女の子からの手紙を携えて接見を行い、その際に手紙をアクリル板越しに示す。A被告は、それに対する返信を手紙にして送ることは現在禁じられているため、メッセージを録音しているというのである。無罪を勝ち取る闘いの最中でも、店のことを気遣っているのだろう。メッセージは複数人にあてて、それぞれ録音されており、担当弁護士は東京拘置所に日参していると聞く。しかし、外部とのやりとりが禁じられているなか、この行為は大きな問題がある。

「接見禁止とは、簡単に言えば弁護人以外の者との意思の疎通を制限する措置で、裁判官が決定します。弁護人の接見は弁護のために必要なので、接見禁止の対象外ですが、だからといって伝書バトをして良いわけではありません。弁護人が伝書バトになってしまっては接見禁止決定をした意味がなくなり、共犯者との口裏合わせ、罪証隠滅等が出来てしまうからです。以前、接見時に携帯電話を用いて外部の人間と通話させた弁護士が懲戒処分を受けたことがあります。同様に、懲戒請求されれば何らかの処分を受ける可能性があると思います」(弁護士法人大西総合法律事務所・大西洋一弁護士)

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