文春オンライン

「いつまでも見てられる…」田園風景に突如出現する“ナゾの巨大建造物” 激アツの工事現場に通い続けてみた

2021/11/06

genre : ライフ, , 娯楽, 社会

 新幹線や高速道路の建設が、全国で続いている。新幹線だと、北海道新幹線の新函館北斗~札幌間、北陸新幹線の金沢~敦賀間、九州新幹線の武雄温泉~長崎間が建設中で、リニア中央新幹線も着工した。高速道路は新東名高速道路、東京外かく環状道路、近畿自動車道など、その他にも全国で多くの路線が建設中だ。車で走っていると、こうした工事現場を目にすることも珍しくないだろう。

 新規に建設される新幹線や高速道路は、トンネルや高架橋の区間が多い。高架橋は、その名の通り橋の構造をしていて、橋脚や橋台と呼ばれる多くの柱が、橋桁を支えている。その橋桁の上に床版が敷かれ、道路や線路が造られる。

柱だけがずらりと並ぶ岐阜IC(仮称)建設現場。“高架橋ファン”としては、いま最も熱いスポットだ

建設途中の巨大建造物がグッとくる…!

 そうした現場では、その瞬間にしか見られない珍しい光景が広がっている。橋脚だけが並んでいたり、橋脚の上の橋桁が繋がっておらず、途切れ途切れになっている光景だ。

ADVERTISEMENT

 そこには、建設途中ゆえの魅力がある。これまでに私が見てきた中でも、例えば圧倒的な存在感を放ち、現在も建設が進む北陸新幹線は、グッときた一例だ。高規格の高架橋が連続している姿は、見る者を圧倒する。橋桁が部分的に架けられている姿は、まさに今しか見られない光景だ。

北陸新幹線の建設現場。高規格の高架橋が連続している姿は圧巻だ(福井県、2020年8月撮影)
橋桁が部分的に架けられているのにもグッとくる(福井県、2020年8月撮影)

 他にも、周囲の景観と併せて楽しめたのが、静岡県の金谷御前崎連絡道路だ。一般道ながら、立派な橋脚が空に向かって伸びている。周辺は茶畑で、マッチしているのかミスマッチなのかは見る人によって評価が大きく分かれそうだが、青空と茶畑の緑に、長い橋脚が映えていた。現在は完成し供用開始を待っている状態だが、これもまた今でも忘れられない光景だ。

 日常とかけ離れた超巨大な建造物は、ただそこにあるだけで圧巻だ。完成されていないため、この先どうなっていくのか、想像をかき立てられる。不思議で面白く、未完成ゆえの魅力があり、見ていて飽きることがない。

金谷御前崎連絡道路の建設現場。青空と茶畑の緑に、長い橋脚が映えていた(静岡県、2020年11月撮影)

 そうした中でも、今が最も旬な場所としてお勧めしたいのが、東海環状自動車道の大野神戸インターチェンジ(IC)~山県IC間だ。東海環状自動車道は、名古屋から放射状に延びている5本の高速道路を連絡するため、東海3県を環状する形で建設が進められている。