このように、業務委託の場合、扶養に入るかどうかの基準が103万円ではない点に注意すべきだ。
年末調整をやり直す「再年調」という制度がある
再度年末調整を行う事務のことを「再年調」と呼んだりしているが、企業側で年末調整のやり直しをしてくれるのは、原則1月末までだ。
No.2671 年末調整の後に扶養親族等の人数が異動したとき
少しでも気になった人は、離れて暮らす子どもに連絡をとるとよいだろう。1月末までに、令和元年(2019年)分の所得の確定額がわかれば、「再年調」に間に合うかもしれない。扶養家族を外した金額で所得税が再計算され、手取りが少なくなるということで、追加の税金を納めたことになる。
「大丈夫、103万円までに抑えているから……」
少し知識を持った子どもからは、すぐにこういった返事が返ってくるかもしれない。しかし、ここで納得してしまってはいけない。子どものアルバイトが雇用契約なのか、業務委託なのか。口頭だけではなく、書面で確認する方が賢明だ。
再年調ができなければ確定申告をすることになる
アルバイト先から渡されるのが「給与所得の源泉徴収票」なら雇用契約、「支払調書」であれば業務委託だ。アルバイト先によっては、「源泉徴収票」や「支払調書」を発行しないところがあるかもしれないが、その場合は発行を請求するように子どもに伝えるのがよいだろう。
企業によっては、年末調整のやり直しを渋るかもしれない。その場合は、確定申告をすることで扶養家族の数を減らし、追加の税金を納めることができる。
通常の年であれば3月15日が期限だが、今年(2020年)は土日の関係で3月16日(月)となっている。
3月16日を過ぎてもそのまま放っておくとどうなるのか。所轄の税務署では、「事後処理」という仕事がある。
「事後処理」とは、給与所得者が、扶養家族と申請していた人に基準を超える所得があった場合や、長年掛けていた生命保険が満期になったが申告をするのを忘れていた場合などに、追加の税金を納めるように促す事務をいう。