それらを合算すると、B君が納めるべき所得税の金額は、2万4700円となる。
税務署からの通知を受けてから確定申告をしたことになるので、無申告加算税の計算も必要だ。
加算税の基礎になる本税の端数処理は1万円未満は切り捨てなので、
2万円×15%=3000円
ただし、加算税は5000円未満であれば切り捨てになるので、B君には無申告加算税はかからない。
B君を扶養親族としているお父さんは、課税所得が330万円を超え695万円以下だった場合
63万円(特定扶養親族の控除額)×20%=12万6千円
追加で納める所得税は、12万6千円。ちなみにこの場合に復興特別所得税は考慮しなくてよい。
無申告加算税は、
12万円×15%=1万8千円
となり、追加の所得税と無申告加算税、合わせて14万4千円を納税しなければならない。
交通ルールで考えると、幼いころから信号の赤は止まれ、青はすすめと教えられてきた。だから誰でも知っている。
翻って、税法はどうだろうか。
筆者は、所属している税理士会の支部の租税教育推進委員を務めていたことがある。支部がある地区の学校や母校に出向き、租税教育の授業の講師をするのだ。小学生や中学生には、「子どもでも税金の恩恵を受けているから、大人になったらきちんと納税しましょうね」などという内容を講義する。
高校生になると、グループで必要だと思う税金と必要でないと思う税金について話し合い、全体で共有するという授業になる。ある高校では、実際に確定申告書の書き方を生徒に体験させたいという要望から、一人一人に確定申告書を作成してもらうという授業を行ったこともある。
残念なPR動画を作るよりも国税が行うべきこと
昨年12月、国税庁は国税局査察部・通称「マルサ」の仕事を紹介するドラマ仕立てのPR動画を公開したが、2019年12月16日配信の朝日新聞デジタルは、その内容について「期待を裏切られた」と批判していた。