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作家・瀬戸内寂聴さんが死去 99歳 脊椎の圧迫骨折から胆のうがん発覚…「こんなに痛いなら死んだほうがマシ」

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source : 文藝春秋 2015年3月号

genre : ニュース, 社会, ライフスタイル

 11月9日、作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが心不全のため亡くなりました。享年99。月刊「文藝春秋」には、瀬戸内さんによる数多くの寄稿や談話が掲載されています。その中から、92歳での圧迫骨折や胆のうがん闘病について明かした「92歳の大病で死生観が変わった」(「文藝春秋」2015年3月号)を再公開します。(全2回の1回目/後編に続く)

 瀬戸内寂聴さん ©文藝春秋

(※年齢、日付などは掲載当時のまま)

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ぎっくり腰と思ったら、圧迫骨折

 昨年はこれまでの長い人生で最悪といってよいくらい、病気に悩まされ、精神的な苦しみがつづいた年でした。5月に92歳の誕生日を迎えたあと、脊椎を圧迫骨折して療養生活に入り、秋には胆のう癌が見つかって手術を受けました。

 現在はおかげさまでリハビリも進み、体力はかなり回復してきました。ただ、この間に小説やエッセイの執筆、法話や講演などの活動は一切できませんでしたから、多くの方にご心配をおかけしました。私がどのような闘病生活を送ってきたか、そして現在はどのような心持ちで暮らしているかを詳しくお伝えしたいと思います。

 脊椎の圧迫骨折は今回で2度目になります。

 1度目は2010年の秋、88歳のときでした。旅先のホテルで、荷作りをしていた時、ギクッと音がして突然腰が痛くなりました。ぎっくり腰だろうと係りつけのマッサージにかかりました。このあとで関西の名医を紹介され、先生は診察室で私の顔を見るなり、「圧迫骨折ですね」と診断されました。その先生は自然療法を重視する方で、安静にしているだけで必ず治ると言われました。通常は3カ月前後だそうですが、私の場合は半年はかかるという見立てでした。

「本当に自然治癒しかない」と覚悟

「なにぶんにもお年ですから」

 と言われてびっくりしました。88歳でも、自分は65歳ぐらいのつもりでしたから。それまでは誰からも「どうしてそんなに元気なんですか?」と尋ねられて、「元気という病気です」と笑って答えていたくらいです。

©文藝春秋

 私は素直に先生の言うことを聞いて、「ちゃんと6カ月は寝ていよう」と仕事は一切お断りして自宅療養に入りました。ベッドの上で食事をとり、ベッドの横にはポータブルトイレを置いてある生活。実際、腰に痛みがあって、ほとんど立ち上がれない状況でした。

 その話が伝わると、全国から名医を紹介するという連絡があったり、頼みもしない整体師の先生が訪ねてきたりと大騒ぎでした。うちはお寺なのに拝み屋さんまで来て。いくつか試しても効き目はないので、「本当に自然治癒しかない」と覚悟して、ベッドでじっと寝ていました。