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10万円給付に歓迎と疑問の声「クーポンで家賃は払えない」「1度の給付では解決しない」支援団体、下支え拡充要望

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genre : ニュース, 社会, 政治

10万円給付、歓迎と疑問 「働く貧困層が対象外」―支援団体、下支え拡充要望

「つくろい東京ファンド」が連携するNPO法人「TENOHASI」による配食に並ぶ生活困窮者ら=13日、東京都豊島区

 18歳以下への10万円相当の給付などを柱とする政府の経済対策が19日、策定される。新型コロナウイルス禍で、子育て家庭や生活困窮者の支援団体は「ありがたい」と歓迎する一方、「1度の給付では解決しない」「ワーキングプアが排除された」など懸念の声も上がる。

 自民、公明両党は親の年収が960万円未満の18歳以下を対象に、年内に現金5万円、来春までにクーポン5万円分を支給することで合意した。

 子育て家庭の貧困対策に取り組む認定NPO法人「キッズドア」(東京都中央区)の渡辺由美子理事長は「困窮世帯はその日食べる物がなく、年を越せない。年内の現金給付はありがたい」と評価。約9割の世帯が対象となるが、「収入が途絶えた人もいて、クーポンで家賃は払えない。困窮者に絞った方がよかったのでは」と指摘する。

 同法人が9月、食料支援した723世帯の経済状況を分析したところ、75%が年収200万円未満だった。渡辺さんは「10万円給付で解決する問題ではない。児童手当を高校卒業まで延長するなど恒久的な制度の改善に踏み込む第一歩にしてほしい」と注文した。

 「子育て支援か困窮者支援か、マイナンバーカード普及が目的なのかはっきりしない」。困窮者を支援する一般社団法人「つくろい東京ファンド」(中野区)の稲葉剛代表理事はこう話す。経済対策には住民税非課税世帯への現金10万円給付も盛り込まれる予定だが、「東京23区の場合、単身世帯で年収約100万円以下が対象。年収100万~200万円で暮らすワーキングプア層が排除されている」と懸念する。

 コロナ禍で貧困の裾野は広がる。厚生労働省によると、生活保護の8月分申請件数は前年同月と比べ10.0%増えており、稲葉さんは「非常に深刻な状況が続いている」と危機感を募らせる。その上で「一律給付し、富裕層に課税強化するのが迅速でいい」と提案し、「生活保護や住居確保給付金など従来のセーフティーネットを強化しないと貧困拡大に対策が追いつかない」と訴えた。

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