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2021/11/22

 私が「獄中結婚は、(死刑)確定後を考えてのこと?」と尋ねると、白石は「そうですね。死刑が確定すると、家族以外の誰にも会えなくなるじゃないですか。それなら誰かと結婚しといたほうがいいかなって」と胸の内を明かした。

 現時点で白石が獄中結婚をしたとの話は聞こえてこないが、死刑囚との獄中結婚や養子縁組という話を耳にすることは少なくない。

同年代の女性と獄中結婚した宅間守

 そこで調査を始めた私がまず注目したのが、01年に大阪府池田市で、児童殺傷事件を起こした宅間守元死刑囚だった。当時の新聞は次のように伝えている。

〈児童8人が犠牲になった大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の乱入殺傷事件で、大阪地裁の死刑判決が確定した宅間守死刑囚(40)=大阪拘置所在監=が今月上旬、支援者の中年女性と獄中結婚していたことが分かった。この女性から「宅間死刑囚を精神的に支えたい」と結婚を申し込んだという。

 関係者によると、女性は宅間死刑囚と同じ年代。刑事裁判の公判中に弁護団を通じて何度も、励ましの手紙を寄せたり、菓子類などを差し入れていたという。女性は「(宅間死刑囚の)精神的な弱さに同情し、支えになりたい」などと、宅間死刑囚が控訴を取り下げた9月下旬、弁護団を通じて結婚の意思を伝えていた。その後、自身の写真とともに婚姻届を宅間死刑囚に渡してもらったという。

写真はイメージ ©iStock.com

出刃包丁を持って児童8人を殺害

 女性からの結婚の申し込みに対し、宅間死刑囚は「執行されるまでは人間らしくありたい。理解者となら面会もしたい」などとして受け入れたという。死刑囚の妻は通常、拘置所の許可を受ければ面会できる〉(『毎日新聞』2003年12月27日 大阪朝刊より)

 なお、同日付の『読売新聞』大阪夕刊の記事では、結婚の時期は12月の〈中旬〉となっており、結婚相手については、〈支援者の三十歳代の女性〉とある(筆者注*実際の入籍は12月12日)。

 01年6月8日に大阪教育大付属池田小学校に出刃包丁を持って侵入した宅間守は、教室に押し入ると児童や教職員を次々と刺し、児童8人を殺害し、児童と教職員15人に重軽傷を負わせた。