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2021/11/30

source : 文藝春秋 2010年4月号

genre : ニュース, 皇室

 また、今年2月に行われた50歳の誕生日会見で皇太子さまは「天皇陛下のおっしゃっておられることを真剣に受け止めております。秋篠宮とは様々な事柄について話し合う機会がありますし、今後ともそのような機会を持つことになると思います」と答えた。

 陛下の発言を真摯に受け止め、一緒にしっかり考えようとする二人の生真面目な姿勢が伝わってきた。

宮さまと私の出会い

 今年6月に結婚20年を迎える秋篠宮さまは、将来の皇室を担うキーマンの一人に成長した。そんな宮さまと私との交際は20年近くに及ぶ。初めて、宮さまと会ったのは、宮さまが紀子さまと結婚した翌年の平成3年2月のことだった。そのとき、夫妻は京都を訪問していた。当時、京都に勤務していた私は、妻と一緒に宮さま夫妻が泊まっていた格式ある旅館を訪れた。妻は結婚前、学習院大学で紀子さまの父、川嶋辰彦教授の手伝いをする副手を務めていたこともあり、以前から紀子さまと面識があった。こうした個人的な縁で私と宮さまとの交際は始まり、現在まで続いている。

天皇ご一家を見送られる秋篠宮ご夫妻 ©JMPA

 このとき、4人で撮らせていただいた写真を見ると、新婚の初々しい二人がいる。宮さまはグレーのスーツにえんじ色のネクタイ、胸ポケットに同じ色のチーフをのぞかせていた。右手首に金のブレスレット。指輪をはめ、ロ髭をたくわえ今よりも少しほっそりしていた。紀子さまは紺のスーツ姿。ロングヘアーで満面に笑みをたたえていた。

結婚で「一番、変わったことは酒量」

 宮さまは、「結婚して変わったことですか? 一番、変わったことは酒量がだいぶ減ったことですかね」などと答えた。紀子さまも「お酒とタバコに気をつけてくださいね」とほほ笑みながら宮さまに話した。宮さまは初対面の私たちに、飾ることなく素直に近況を語ってくれた。懇談は1時間ほどで終わった。私は、宮さまは物静かで繊細な方だなと感じた。と同時に、話しぶりから両陛下や兄妹、それに自分の置かれた環境に対してよい意味で少し距離をとって見ているのでは、との第一印象も強く併せ持った。距離を置くというのは、置かれた立場から逃げているとか、関心を示さないということではない。皇族としての自分を冷静かつ、客観的に見つめている、大人びた姿勢を指すのだ。

 あれから約20年がたち、宮さまはどう変化したのだろうか。

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