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2021/11/30

source : 文藝春秋 2010年4月号

genre : ニュース, 皇室

結婚してより自由な立場を手に入れ、好きな研究に没頭したい

 宮さまは、眞子さまたちがそれぞれの個性を伸ばし、関心や興味を深めることを願っている。また、自分たちの立場を自覚し、周囲の人たちへの配慮や感謝の気持ちを常に忘れないようにとも考えている。こうした教育方針は、紀子さまも同じだ。

 平成16年夏、宮さまは宮内庁書陵部に眞子さまを連れて行き、古文書の修復作業を一緒に見学した。その年の会見で宮さまは、「(眞子さまは)非常に興味を持っているようでした」と振り返っている。また、平成19年夏には、宮さまは眞子さまや研究仲間と一緒にマダガスカルを訪問。キツネザルやバオバブの木など珍しい動植物を見てきた。このように、折に触れて宮さまは、子供たちが関心を深めることへの手伝いをしている。

眞子さま(当時) ©JMPA

 宮さま自身、小さい頃から動植物に強い関心を持ち、現在に至るまでニワトリなど家禽や魚類の研究を続けている。自分で選び、好きな道に進んだ宮さまは、昭和60年、タイでプラー・ブック(メコンオオナマズ)と出会い研究活動をスタートした。英国でニワトリなど家禽品種に関心を深め、その後の研究対象はニワトリを中心に広がり、調査地域もインドネシア、タイ、中国・雲南、マダガスカルなどへと拡大していった。

 結婚してより自由な立場を手に入れ、好きな研究に没頭したいとの思いは、こうした形で実現された。平成8年には国立総合研究大学院大学から理学博士号を授与されている。皇族が論文審査を受けて博士号を取得するのは初めてのことだった。皇族だからといって片手間とか生半可な研究を行っているのではない。現在では、専門家の間で評価を得ている若い有能な研究者の一人でもあるのだ。

 宮さまが活躍する背景には、魚類学者である父・天皇陛下の影響と自然が残る赤坂御用地で育ったという環境が大きい。宮さまが小さい頃、当時の住まいの東宮御所にはたくさんの池や水槽があった。3歳ごろ、宮さまは陛下に連れられて池の魚を見に行った。陛下から「あれがソウギョだよ」「今、池の水面に顔を見せたのがハクレンだ」というように教えられた。

「生き物文化誌学会」の立ち上げ

 平成15年春、宮さまは、自分も発起人の一人となり「生き物文化誌学会」を立ちあげた。この学会は生物学、民族学、歴史学、芸術など幅広い分野の専門家や市民が集まり、多面的に生き物を考えようとするユニークな学会である。現在、会員は約1000人。全国で活動を続けているが、宮さまも熱心に参加している。

 また、タイと日本の研究者が共同で推進している「人と鶏の多面的関係研究プロジェクト」も宮さまが立ち上げた。この計画はニワトリの家禽化の過程を明らかにしたり、生き物と人間の関係を考察することにより、環境改善にも寄与することなどを目的としている。平成19年、宮さまはアジアの大学や研究機関との標本の相互貸し出しなどについて助言をする東京大学総合研究博物館の特任研究員に就任した(現在は、特招研究員)。

 その年の会見で宮さまは「対象物自体を、単独で見てはいけないわけですね。様々な関係性の上で考えないといけないものですので、いろいろな視点から、どうして人間は鶏を家禽にしたのか、家禽にした後どういう周りの文化や環境によっていろいろな種類ができてきたのか、そういうようなことを、今調べているところです」と述べている。

#3に続く)

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