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2021/11/26

source : 文藝春秋 2012年1月号

genre : ニュース, 皇室

「上からの目線ではいけないのではないのか」

 3月18日、ご夫妻は、いずれも紀子さまが総裁を務める「結核予防会」と「恩賜財団母子愛育会」の幹部から被災地の状況や被災地支援について説明を受けた。3月末にはご夫妻と眞子さま、佳子さまの4人は、外務省国際法局長などから諸外国の震災支援の様子などを説明された。4月7日にご夫妻は東京都江東区の避難所を訪問したのを皮切りに、新潟県や群馬県の避難所を訪れた。5月10日、青森県内の被災地を訪問。引き続き、7月初めにかけて岩手県大槌町や山田町、福島県いわき市、宮城県気仙沼市などの被災地を回った。ご夫妻らが大震災の関連で出掛けた回数は今年10月初めまでに30回近くにのぼる。

 太平洋岸にある岩手県大槌町は、アワビやウニなどの海の幸や豊かな自然に恵まれている。また、貴重な淡水魚「イトヨ」の生息地としても知られている。宮さまは、シンポジウムに出席するため同町を訪れたことがある。また、ご家族も同町を訪問したことがあるなど縁は深い。大震災で大きな被害を受けたが、今年5月末、同町を訪れたとき、以前、宿泊したことのある海沿いの5階建てのホテルが3階まで津波に飲まれていたのを目撃し、驚いたという。

新年をお迎えになった秋篠宮ご一家 宮内庁提供

「やはりテレビで見るのと現地で被災状況を目の当たりにするのとでは大きく違います。被災地へ来てみると被害の大きさや深刻さがじつによく分かった」

 と話す。被災者に声をかける際には、津波の恐怖を思い出させてはいけない。宮さまは、どの程度、たずねて良いものか気を配りながら住民たちから話を聞いた。

「励ますという、上からの目線ではいけないのではないのか。支援活動のお手伝いをしたい。なんらかの形で関わらせていただきたいとの気持ちでこれからも携わっていきたい」

 と、宮さまは語る。

地元の人からは、眞子さんに「どっかで見た顔だね」

 震災後、宮さまは子供たちに被災地で支援活動をしなさいと強制はしなかった。ただ、「なんらかの形で支援活動に関われるといいね」と、話していたという。こうした気持ちを汲み取ったのか、この夏、眞子さまと佳子さまは、一人のボランティア学生として被災地入りし、子供たちと一緒に遊んだ。

2020年、佳子さまのお誕生日に際してのご近影 宮内庁提供

 眞子さまは、岩手県山田町と大槌町、それに宮城県石巻市を訪れ、夏休みの出前講座のお手伝いをした。皇族としての立場でなく一人の学生として参加し、名前等も伏せたままだった。地元の人からは「どっかで見た顔だね。あんた、こっちの出身かい?」と聞かれたこともあったという。

後編に続く)

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