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「体重が減るのが今の私の支え」…有名進学校の女子高校生が体重31キロ、生理も止まるまでやせたわけ

 と繰り返して説明しましたが、それに対する綾乃さんの反応はありません。

 入院後、体重が少しずつ増え、食事も取れるようになりました。体重が45キロになった時点で退院しました。しかし、退院するとすぐに自己誘発性嘔吐が始まって、また食事が取れなくなり、体重も減っていきました。そのため、その後3回、入院を繰り返しています。

「やせていることが私のこころの支え」

 3回目に入院したとき、綾乃さんは、はじめて自分の内面について語るようになりました。

 「私は、中学校までは勉強ができることが自慢でした。でも、高校に入ると、周りがみんな優秀な人ばかりでした。テストの点数も、中学校時代ほどよくはありません。すごくあせりました。自分はダメな人間だと考えるようになりました」

 「さらにショックだったのは、高校に入学してからずっと仲が良かった子が転校したことです。私は休み時間、いつもその子と2人で過ごしていました。その子がいなくなってから、私はクラスでひとりっきりになってしまいました。だって、すでに仲良しのグループができていたので、私を入れてくれるグループはありませんでした」

 と言って泣き出しました。

 綾乃さんは、さらに続けました。

 「そんな私を支えてくれたのは、体重でした。私ががんばれば、がんばった分だけ結果が得られます。それで、ダイエットがエスカレートしたんです。体重が減ること、やせていることが私のこころの支えなんです」

優等生だった娘の苦しみを知り…

 綾乃さんが入院中、お母さんは定期的に病院を訪れて、主治医との面接を繰り返しました。お母さんは、これまで優等生として手のかかることがなかった綾乃さんが、実はとても苦しみながら懸命に学校生活を送ってきたことを知りました。その後のお母さんは、綾乃さんのこころに寄り添うことを心がけて接するようになりました。

 綾乃さんは高校を卒業して大学に進学していますが、神経性やせ症の再発はみられていません。