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genre : ライフ, 医療, ヘルス

患者と医療者のミスマッチを改善するために、超党派の議員連合で「慢性痛対策議員連盟」を発足し、対策法を立法化すべく動いています。痛みに関連する診療科、スタッフが連携した「痛みセンター」を全国の主要都市に設置し、集学的に痛みを診よう、痛み治療が病院の持ち出しという現状を打破し、予算をつけ、医療者の質も上げていこうという取り組みです。そのためには患者側も痛みについてのリテラシーを向上させ、質の高い医療者、痛みセンターを見極める鑑識力を身につけて頂きたいと思います。

「痛みは脳で感じる」痛みと脳との深い関係

慢性の腰痛が難しいのは、原因が良く解らない痛みだからです。ケガや病気がきっかけで起こることはありますが、病気やケガから回復して、特におかしなことは見つからなくても、痛みは続き、明らかに日常生活のさまたげになっています。

さて、どうすればいいのでしょうか。痛みはどこで感じるのでしょうか。腰が痛い時、痛みを感じるのは腰? 坐骨神経? 筋肉? 脊髄? それとも……

「幻肢痛」という疾患があります。ケガや病気によって切断された四肢が、存在するように感じて痛むことです。なぜ幻肢痛で、痛みを感じるのでしょうか? 存在しない部位の痛みをどうやって感じるのでしょうか? その答えは「脳で感じる」です。

最終的に脳で様々な情報が統合(情報処理)されて痛みとして感じられるのです。身体の各部位(末梢)からの信号が、脳の中に蓄えられている様々な情報(記憶、感情)と統合されて、痛みが発露します。脳の状態によって、痛みの感覚は強くも弱くもなりえます。

痛みの要因が脳疾患のことも、想像以上によくあります。てんかん患者は、頭痛、脱力や意識消失を伴う痛み発作、強い刺激(光、音、においなど)で誘発される痛みを感じますし、認知症患者は痛みの感覚と、他の感覚・感情(さびしさなど)とが混合され、痛みの原因として見逃されます。軽度認知症や薬剤性認知症の患者さんの腰痛には要注意です。