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寂しさの中で猛勉強、ハーバード大学時代の雅子さまの“恋人”は…「私の人生の中で最も楽しい時期」天皇皇后両陛下の“英米ご留学秘話”

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2021/12/11

 12月1日、天皇皇后両陛下の長女・愛子さまがご成年の日を、12月9日には雅子さまが58歳の誕生日を迎えられました。「急がない、急がせない」が令和流のキーワードだと分析するジャーナリスト・友納尚子氏の「『学習院大学進学』決定と『還暦の誕生日』を終えて」(「文藝春秋」2020年4月号)を特別に全文公開します。(全3回の1回目/#2#3に続く)

12月5日、上皇ご夫妻にあいさつをされた愛子さま ©JMPA

(※年齢、日付、呼称などは掲載当時のまま)

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天皇陛下は「ちょっと恥ずかしいですね」

「ちょっと恥ずかしいですね」

 2月10日午後、宮内庁三の丸尚蔵館(皇居・東御苑)で開催中の特別展「令和の御代を迎えて」で、天皇陛下は学習院高等科3年生の頃に書かれたという草書体の書初めを42年ぶりにご覧になって、照れながらこう述べられた。陛下が率直に感情を表されることは、実に珍しいことだった。

 条幅(じょうふく)紙には「慶雲興」(幸運を運ぶ雲が湧き起こること)と大きく書かれ、照れ笑いを浮かべられている陛下のご様子とは反対に、ダイナミックな筆遣いが印象的だ。

2020年2月10日、天皇陛下の即位を記念した特別展「令和の御代を迎えて」を鑑賞される天皇皇后両陛下 ©時事通信社

 上皇陛下から譲り受けられたという、学習院初等科の入学式でお召しになった制服やランドセルも展示され、陛下は懐かしそうにご覧になっていた。

 この日、淡いグレーのパンツスーツ姿だった雅子皇后陛下は、陛下の自筆で書かれた学習院大学文学部史学科の卒業論文(「中世瀬戸内海水運の一考察」)に驚かれて、「全部(手書きで)お書きになったのですか」と尋ねると、陛下は「間違えたところに原稿用紙を貼ったりして大変でした」とお答えになった。

新しい住まいの「御所」に入居された天皇ご一家 ©JMPA

雅子さまは“嫁入り道具”の辞書2冊を公開

 雅子さまはじっくりとご覧になって、「よくこんなに細かく書かれて」と感心なさっていた。「これがお話しになっていた部分の」など、日ごろからお二人が話題にされていたことが会話からもうかがえた。

 雅子さまは、米国ハーバード大学経済学部の卒業論文(「輸入価格ショックへの対外調整:日本の貿易における石油」)と、実際に大学時代に使われていたという辞書2冊(英英辞典と類語辞典)を公開。

ハーバード大学ご卒業 宮内庁提供
ハーバード大学卒業論文 宮内庁提供

 使い込まれた革表紙の辞書「コンサイス・オックスフォード・ディクショナリー」は、父親の小和田恆さん(元外務官僚・元国際司法裁判所所長)から譲り受けたもので、皇室入りなさるときに一緒に持ってこられた“嫁入り道具”でもあった。

「ハーバード大学時代の雅子さまは、お一人で暮らす寂しさもあったのか、毎日、図書館で勉強をなさっていたそうです。そのため常に辞書を手放さず、『辞書が恋人』とからかわれるほど肌身離さずお持ちでした。ある日、食事会の時も『まさか、今も辞書を持っているんじゃない?』と聞くとバッグの中から出したり、引っ込めたりしながら辞書を見せて、皆を笑わせていました」(ハーバード時代の友人)

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