天皇陛下の気合が入るとき
陛下も時間があれば、ごいっしょに聴講されることがあり、国連大学で席を並べられる姿が見られることもあった。陛下はご体調のすぐれない雅子さまに、できるかぎり寄り添うことでサポートされようとしていた。
陛下が今年のお誕生日に公表されたご近影ビデオで雅子さまと読まれていた『水の日本地図』を監修した沖大幹教授(東京大学未来ビジョン研究センター)はこう語る。
「国際会議等でごいっしょする機会がありますが、雅子さまとご一緒の時は、陛下はいつもより張り切っておられるご様子で、気合の入り方が違うように思います」
東宮御所でのご進講も、環境問題に付随するテーマなどはお二人でお受けになり、陛下の専門知識に雅子さまのグローバルな視野が加わって、専門家でも舌を巻く質問が出ることもあったといわれる。
令和時代の両陛下の公務
「雅子さまのご関心は、環境問題から生じる貧困や教育などにも広がっているようで、前々からご関心のある福祉の分野とつながるので一層興味を持たれるのかもしれません。ご家庭でも、グローバルな環境問題や世界各地の歴史的背景などを陛下とお話しなさることが多いようです。陛下のご研究にも熱心に耳を傾けられることで、新しい世界が広がることはご快復に繋がっているように見えます」(雅子さまの同級生)
天皇陛下も2007年の「第1回アジア・太平洋水サミット」記念講演で次のように述べられていた。
「従来自分が研究してきた水運だけでなく、(略)環境、衛生、教育など様々な面で人間の社会や生活と密接につながっているのだという認識を持ち、関心を深めていったのです」
令和時代の両陛下の公務は、水問題からさまざまな分野へと広がっているようだ。