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お世継ぎを期待する声、愛子さまご誕生後も深まる陛下と雅子さまの悩み…天皇陛下の相談役が明かす“ご結婚秘話”「火花が散るような方を」

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2021/12/14

source : 文藝春秋 2013年6月号

genre : ニュース, 皇室

 12月1日、天皇皇后両陛下の長女・愛子さまがご成年の日を、12月9日には雅子さまが58歳の誕生日を迎えられました。元学習院OBオーケストラ副団長で、天皇陛下の相談役を長年にわたって務めた鎌田勇氏の手記(「文藝春秋」2013年6月号)を再録します。(全3回の1回目/#2#3に続く)

1993年1月8日、自宅前で大勢の報道陣に笑顔を見せる小和田雅子さん(当時) ©時事通信社

(※年齢、日付、呼称などは掲載当時のまま)

◆ ◆ ◆

「発表があるまで誰にも言わないでください」

「やっと決まりました。いろいろご心配をおかけしましたけれど、このことをお話しするのは鎌田さんが3人目です。両親の次に、真っ先にご報告したかったのです」

 皇太子殿下から、ご結婚の報告を受けたのは平成4年、冬のことでした。その日は東宮仮御所で音楽の集いがあり、20~30人が集まって広間で練習をしていました。皇太子殿下は部屋の一隅にこっそり私をお招きになり、小さな声で言いました。

「あの方ですね」

 私は念押しのように伺いました。

「そうです。ただ、まだ誰も知りません。発表があるまで誰にも言わないでください」

 あの時の殿下のにこやかな表情を、私は決して忘れることはないでしょう。殿下が自ら決められたこのご結婚は絶対に上手く行く―そう思ったものです。

1993年6月9日、東宮仮御所にご到着 ©JMPA

 今年の6月、皇太子殿下と雅子さまはご成婚20周年をお迎えになります。この20年は、決して平坦なものではありませんでした。最初の8年あまりは子宝になかなか恵まれず、一度は流産も経験されました。お世継ぎを期待する声が高まるにつれ、両殿下は周囲に気づかれない中で悩みが深まっていたようです。ようやく愛子さまがお生まれになったと安心したのも束の間、この10年近く雅子さまは適応障害に苦しまれ、今もなおご回復の途上にあります。

 そんな中、4月30日のオランダのベアトリクス女王の退位式、同日に行われるウィレム皇太子の新国王即位式に出席されると聞き、本当に喜ばしく思っております。

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