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「父の棺には大好物を入れた」「“お疲れ様会”みたいにしたかった」…梅宮アンナ(49)が振り返る“父・辰夫との別れ”

「父の棺には大好物を入れた」「“お疲れ様会”みたいにしたかった」…梅宮アンナ(49)が振り返る“父・辰夫との別れ”

梅宮アンナさんインタビュー #1

2021/12/18
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 梅宮辰夫氏が遺した料理帖をもとにした料理本『梅宮家の秘伝レシピ』。 その監修を務めたのは、娘である梅宮アンナ氏(49)だ。 

「父のレシピを引き継ごう」と決心して未経験に近かった料理を始めたという彼女に、晩年の辰夫氏の姿、「美味しそうな匂いが漂ってきた」最後の別れなどについて、辰夫氏が遺し、現在はアンナ氏が母・クラウディア氏と住む真鶴の自宅で話を聞いた。 (#1〜#3の#1/#2を読む)

梅宮アンナさん

◆ ◆ ◆

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父が繰り返した、「俺、こんな体でいつまで生きるんだろう」

——2020年2月16日放送の『ボクらの時代』(フジテレビ)に、アンナさん、娘さんの百々果さん、お母様のクラウディアさんが出演されました。そのなかで、アンナさんとクラウディアさんが辰夫さんの延命治療を「選ばなければよかったね」「心がどんどん破壊されていったのかなって思う」と悔やむ発言をされていましたが、具体的に延命治療とはどんなものだったのでしょうか? 

梅宮アンナ氏(以下、アンナ) うちの場合は、人工透析だったんです。もちろん、人それぞれ、家それぞれでしょうけど、病気になった家族の介助や介護に直面した人の多くが、私たちと同じ気持ちになると思っているのね。「選ばなければよかった」みたいなことを言っちゃっていいのか、言ってはいけないのかって境目も難しいんだけど……。

 

 でも、父もずっと私に言ってたの。「俺、こんな体でいつまで生きるんだろう」って。 

 世の中、長生きをしようっていうけど、それってどうなのかなって。頭もしっかりしていて、脚もちゃんと動けば、長生きしても私は楽しいと思うんだけど。でもそうじゃなくて、病院に通いながら長生きするというのはね。父は後半になって入退院を繰り返していて、こちらとしても気が気じゃなかったんですよ。 

——治すためではなく命を延ばすための治療ですから、さぞ大変だったのではないかと。 

アンナ この薬を飲んだら確実に良くなるみたいな話だったら、私も少しは希望を持てたんだけど、そうじゃないから。老いていく親を見ている辛さもあるし、こんな状態がいつまで続くのかって。どうしても絶望感が襲ってきたんですよね。

 それとお金。保険に入っていたからなんとか助かったけど、入っていなかったらどんどん無くなっていく一方で大変だったろうし。 

 

 透析って、ほんと辛いんですよ。透析を受けるために週3回の病院通いをしたけど、うちの家族にとってそれが良かったのかを考えると、私はそうは思えなかったんですよね。父にとっても、手枷足枷がついてる状態。

 月曜日に病院、水曜日も病院、金曜日になったらまた病院で、1日6時間も取られてしまう。あれだけ、自分の好き勝手に動き回ってた父が6時間もジッとしていなきゃいけない。 でも、そうしないと腎臓が動かないから。自分の力で尿を出せない。私にはその経験がないけど、こんな形で延命していいのだろうかって。