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ふるさと納税にまつわる誤解で2番目にあげられるのが「ふるさと納税分が節税額につながらない」ということです。上記算式にあるとおり、5万円寄附したとしても自己負担額の2000円が算式上差し引かれてしまいますので、2000円以下のふるさと納税は全く節税には寄与しません。

また、所得税はふるさと納税を含めて配偶者控除や扶養控除など15種類もある所得控除の仕組みを通じて節税につながるので、ふるさと納税以外の所得控除で所得を上回る場合には、ふるさと納税で差し引ける所得がないため節税にはならないのです。たとえば、実際に所得税率が課される所得を課税所得というのですが、ふるさと納税を除いた所得控除で所得より所得控除が上回っていれば課税所得は0円となり、ふるさと納税が節税に寄与しないことがわかるでしょう。

「住宅ローン減税が予定の金額で受けられなくなる」原因

また、住民税の特例分としての税額控除(算式の(3)部分)ですが、住民税所得割額の2割までとされています。多くの納税者にとって、住民税の大部分は所得割(前年の所得に応じて課税される税)が占めるので、住民税からの税額控除にも制限がかかっている、とおさえておくといいでしょう。

つまり、ふるさと納税が節税額につながるかどうかの上限額は、年収、配偶者や扶養親族といった扶養家族がいる、社会保険や国民健康保険を負担している、生命保険や地震保険に加入している、といったさまざまな状況により個別に相違するといえます。

さらには、「住宅ローン減税が予定の金額で受けられなくなった」という声もたまに耳にしますが、同じような理由です。つまり、ふるさと納税を活用し、所得控除が増えると課税所得が減少します。住宅ローン控除は通常、該当年の住宅ローン残高の1%を税額控除できるものですが、ふるさと納税を活用したあとの所得税額(課税所得がかかるもの)より住宅ローン残高の1%のほうが大きければ、住宅ローン残高の1%分を差し引ける所得税額がそもそも存在しないので「住宅ローン減税が予定の金額で受けられなくなった」ということにもつながるのです。