昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

source : 提携メディア

genre : ライフ, 教育, ライフスタイル, 社会

「本当にありがたかった」母親の判断

理由がはっきりとわからなくても、「学校に行きたくない」と子どもが言ったときは、休ませてあげてください。

保護者からの「ドクターストップ」が遅くなるほど、子どもは人生を通して苦しみます。不登校にはしたくない、という心理が働くかもしれませんが、つらいまま学校に通い続けるほうが、子どもが受ける傷は圧倒的に深くなります。

心の傷が深く、とても長い期間、療養を必要とする人もいます。だからこそ、無理に学校に戻そうとせず、まずは休ませてあげてほしいのです。

私は、中学入学当初から、学校になじめなかったのですが、それをうまく言えずにいました。でも、中学2年生のある日、急に感情が爆発して、母の前で「学校に行きたくない」と号泣してしまいました。母はすぐ学校に連絡し、「2週間休ませます」と言ってくれました。

そうするとちょうど冬休みになり、1カ月ほど休むことができたので、母の判断は本当にありがたかったです。

『不登校新聞』の仕事をするようになってから、母にどうしてそういう判断をしたのか聞いたことがありますが、母は「記憶にありません」と笑って言うだけでした。

別のタイミングで、「なんかつらそうだった」「そもそも学校は合わないと思っていた」と話していたことがあるので、おそらくよほど心配だったのだろうと思います。

子どもの気持ちにつきあう

一方で、子どもはつらそうにしているけれど、がんばって学校へ行こうとすることもあります。あるお父さんがこう言っていました。

「子どもは明らかに苦しんでいるのに、本人は『学校に行きたくない』と言えない。まわりが『行っても行かなくてもいいんだよ』と言っても、やっぱり学校へ行く。親は、つらそうにしているわが子が学校へ行くのを応援していいのだろうか」

こういう場合、保護者は子どもが納得するまで、つきあうしかありません。子どもは心の底から学校へ行きたいわけではないと思います。でも、それはつきあうしかないんですね。親ができることは、苦しんでいる子どもの気持ちにつきあうこと。子どもに向き合うこと。これはとてもつらい時間です。