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たとえば、幼い頃に、スーパーでほんのちょっとはぐれたという話を、「あのとき僕は置いていかれた」と言って急に泣き出すようなこともあります。そうしてたくさん話をしたあとに、学校で起きたことを話すようになります。

その話は、とても長くて回りくどいかもしれませんが、最後まで聞くしかありません。子どもはアドバイスがほしくて話しているのではなく、ただ気持ちの整理をしたいだけなんです。

言語化が終わると親離れする

言語化の時期が終わると突然、親離れ、支援者離れします。親から離れるのをいやがっていた小学生ぐらいの子も、友だちと過ごす時間を優先するようになります。

この回復のプロセスは、必ずしもスムーズに移行するわけではなく、いったりきたりします。もちろん個人によって違いますが、こういった心理状態のプロセスを経るということが、臨床的にもわかっているそうです。

実際に、多くの経験者から話を聞いてみても、だいたい似たような経過をたどります。これは不登校だからではなく、PTSD(心の傷)において起こるものです。

このプロセスは、赤ちゃんから思春期を経て大人になっていく過程にも似ています。学校で受けた傷を、多くの人は、学びや成長の糧のひとつにしている、とも言えると思います。

「気持ちの整理」には数年かかる場合もある

私の場合は、気持ちの整理がつくのに数年かかりました。最初の1年は、非常に感情の起伏が激しかったように思います。その後、フリースクールの友だちやスタッフといろいろなことを話していくうちに、少しずつ気持ちの整理がつきました。

気持ちの整理がつくというのは、学校や不登校、いじめといった言葉を聞いても、心にさざ波が立たなくなるということです。自分と他人を比較しなくなる、焦らなくなる、学校に行っていないことに罪悪感を持たなくなる、とも言えます。

このときは「自分はこんなことで悩んでいたんだ」「これが苦しかったんだ」「自分がやりたかったことはこれだったんだ」といった論理的な考えにはまだ至っていません。