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genre : 社会, 国際, 人生相談

しかし、高校を中退して水商売に足を踏み入れてから、お客と関係を持つようになってしまった。そこには「相手から嫌われたくない」という思いもあっただろう。まりさんは現在専業主婦で安定した生活を送っているようだが、第1子は実家に預けているため、現状が子どもたちにとって良いと言えるのかは分からない。

「父親がいない」自分の出自に負い目を感じる

最後に紹介するのは、めいさん(仮)だ。10代の頃に、2つ年上の彼氏との間に子どもができた。すぐに結婚したけれども、夫の仕事は雨が降ったら休みになってしまう収入が不安定な現場作業員で、家計はやはり苦しかった。3年たった頃に離婚し、子どもは3人。その後出会った男性との間にも子どもができたため再婚した。今は子ども4人と夫婦2人で暮らしている。

アパートは3LDKで、6人が住むには決して広いとは言えない。めいさんもシングルマザーでいることを不安に思い、同じコミュニティにいる男性と再婚した。新しい夫の月収は約19万円で、とてもじゃないが家族6人を養うには厳しい。めいさんの夫は日当制の仕事で「8000円から上がらない」と嘆いている。

めいさんも夫も母子家庭で育ったのだが、共通するのは、安定した家庭を築いている「お手本」のような人が周りにいなかったということだ。めいさんは夜遊びや家出を繰り返し、一時期、更生施設に入れられていたが、中学を卒業してすぐに水商売を始めた。再婚したのは、1人で子どもたちを養う経済力がなかったこともあるが、「父親がいない」という自分の出自に負い目を感じていたからだという。

狭いコミュニティで出産と結婚を繰り返す構造

沖縄県の一部の地域では、幼少期から10代にかけて過ごしたコミュニティが大人になっても大きな影響力をもつ。美佳さんに暴力をふるっていた彼氏はもともと同じコミュニティの仲間だったが、子どもが生まれた途端、美佳さんはコミュニティから排除されてしまった。相談に乗ってくれる友人や大人が周りにおらず、かといって”友だちの友だち”程度の知り合いが数多くいる狭い地域なので、どこかのコミュニティに属していないと生きづらいという問題がある。