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すさまじいネット中傷を受けたフリーアナウンサーが厳しい修行で僧侶へ 涙する加害者たちに3時間かけて話したこと

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フリーのアナウンサーだった髙橋美清さんは、ストーカー被害に遭ったことをきっかけに、すさまじいネット中傷を受け、一時は命を絶つことを考えるほど苦しんだという。厳しい修行を経て天台宗の僧侶となった髙橋さんが、ネット中傷の加害者数人を特定し、対峙したのはなぜなのか――。

撮影=プレジデントオンライン編集部 天台宗照諦山心月院尋清寺の住職、髙橋美清さん - 撮影=プレジデントオンライン編集部

誹謗中傷の影響で、仕事も収入もゼロに

ストーカーの被害を受けていた髙橋さんだが、加害者がストーカー規制法で逮捕され、ほどなくして不慮の事故で亡くなってから一転、ネット上で加害者扱いされるようになり、すさまじいネット中傷を受けるようになった。

「フリーのアナウンサーとして仕事をしていた職場からは、『表に出るのはあなたのためにならない』という言い方で断りの連絡がありました。こういう時、フリーの立場は弱いですよね。あっという間に仕事がなくなりました」

収入はゼロになった。仕事先の関係者はもちろん、友達の多くも離れていき、中傷に加担する人までいた。人が怖くなり、家から外に出られなくなった。

「ある時、問題のある書き込みをネットから消してもらえるかもしれないと聞いて、法務局に相談に行ったんです。『該当する書き込みを持ってきてください』と言われ、自宅でプリントアウトしていると、厚さ30センチ以上になって、プリンターが壊れたほど。何とかコピーを持っていったら、『全部は無理です。どれにするか選んでください』と言われました。一部だけ消してもらってもあんまり意味がないのに、どこかひとごとなんです。それに、その頃はまだ、ネット上の中傷を取り締まる法律はありませんでしたから」

ひと度、自分の名前を検索すれば、10万件もの罵詈(ばり)雑言が並び、ウィキペディアには「○○が自殺したきっかけを作った人物」とまで書かれた。

わかっているが、見てしまう

「警察に相談に行ったときには、『そんなもの、見なければいいじゃないですか』と言われました。それはわかっているのですが、見てしまうんです。見るのをやめても、『誰かがあのひどい書き込みを見ているんだ』と思うと、耐えられない気持ちになってしまう」