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「流産や尿漏れのリスクが高まる」スリム体型を目指す女性を待つヤバい落とし穴 運動を伴わないダイエットは危険

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genre : ライフ, 医療, ヘルス, ライフスタイル

スリムな体型を目指すダイエットが、女性の健康リスクを高めることがある。痛みの専門医、横浜市立大学附属市民医療センターペインクリニック内科の北原雅樹医師は「運動を伴わないダイエットは危険だ。筋肉低下の影響で、流産などのリスクが高まる」という——。(聞き手・構成=医療・健康コミュニケーター高橋誠)

写真=iStock.com/AntonioGuillem ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AntonioGuillem

増加する若い女性の「骨盤臓器脱」の重大リスク

皆さんは「骨盤臓器脱」という症状をご存じでしょうか。

骨盤臓器脱とは、女性特有の病気で、骨盤内の臓器(膀胱、子宮、直腸)が「腟」や「肛門」から出てしまう疾患の総称です。主な原因は、骨盤内の臓器を支える筋肉の衰えです。経産婦(出産を経験した女性)に多く、スウェーデンの疫学調査では、出産経験者の44%がかかったというデータが報告されています(Prevalence and co-occurrence of pelvic floor disorders in community-dwelling women)。日本人に関するデータはありませんが、一定の割合でいらっしゃることが推測されています。

これまでは高齢者に多い疾患でしたが、最近、出産を経験していない比較的若い女性、特にやせ型の女性の発症が目立っています。

これは大変由々しき事態です。なぜなら子宮が支えられなくなるわけですから、出産も大きく負担になります。妊娠中に子宮口が緩んでばい菌が入ったり(絨毛膜羊膜炎)、流産や早産になったりするリスクが高まってしまうからです。

「尿漏れ」を見逃してはいけない

もちろん骨盤底筋の状態は直接見て把握することができません。しかし、骨盤底筋の緩み・衰えを把握できるサインはあります。それが「尿漏れ」です。

私のところに痛みの治療に来た30代の出産を経験した女性に、初回の問診時に「尿漏れはありますか?」と聞いて驚いたことがあります。「あります。子供を産めば普通に漏れるんではないですか?」と当たり前のように答えたからです。