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往年の女優、マリリン・モンローは、寝る前にバーベルを上げるなどして筋力トレーニングをしてスタイルを維持していたそうです。外見だけを真似てはいけないのです。

最近の子供たちは外で遊ぶ機会が少なくなっています。こういう生活習慣もじわじわと筋力低下につながっています。私が所属する運動器疼痛学会の関係者では「そのうち30代でロコモティブシンドローム(運動器症候群)になるだろう」と冗談抜きで話し合われています。

「胸が垂れてしまった」と打ち明けた10代女性

話は少し脱線しますが、若年層の筋力低下症状は骨盤底筋だけにとどまりません。これは、「慢性の腰痛」で来院した18歳の女性患者のケースです。

初診の問診時、この女性患者さんが「最近、胸が垂れてしまって悩んでいるんです」と打ち明けてくださいました。胸をふくよかにしたい一心で、一生懸命食べて太ることにしたそうです。当初は願い通りに胸が大きくなって喜んでいましたが、時間が経つにつれて大きくなった胸はハリをなくし、垂れてしまったというのです。

お母さん同席の上での衝撃の告白でした。これは、明らかに大胸筋を鍛える筋力トレーニングをしなかったから起こった現象です。筋力低下症状の典型例の一つと言えます。

これまで挙げた骨盤底筋や大胸筋だけの話ではなく、腹筋もできなくなっている若い女性も増えています。痛み治療の最前線にいると、まったく運動をしない若い人たちがどれほど多いか痛切に感じます。

私が患者さんや女性研修医を通じて知った若い女性たちの「筋力低下」による症状は氷山の一角です。実は多くの女性が悩んでいるのではないでしょうか。

若い女性たちは仲間同士で話をしても、仲間が皆、筋力が弱いので、それが当たり前と思っているのです。

20代の女性研修医でも尿漏れについて仲間内で話し合って、傷をなめあうだけで、大きな問題と認識していませんでした。尿漏れや胸の衰えなどの症状が起こっても、誰にも相談できずに、一人悶々と悩んできるケースも多いのではないかと推察できます。