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2021/12/20

 マイクロソフト創業者のビル・ゲイツは、総資産約12兆円の大富豪ですが、かねてから全財産の半分を慈善団体に寄付しようと資産家に呼びかけています。また今回の新型コロナの流行に際し、奥さんと共同で立ち上げた「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」から感染症のワクチン普及のため1700億円を出資すると表明しています。彼は、自分の資産をどのように使うべきか、確固たる哲学の下できちんと計画しているのでしょう。

 僕はまだ自分のお金で何ができるのか、何をしたいのか、探っている状態です。宇宙に行ったら「宇宙分野に全財産を注ぎ込む」と言い出すかもしれませんし、財産の使途についてまだ決め切れていません。

ビル・ゲイツ ©AFLO

 僕の「お金配り」は理由があってやっていることなのですが、批判されることが多い。最初はツイッターのバッシングに打ちのめされることも多く、何度もツイッターを止めようと思いました。ただ、自分の想いや情報を瞬時に伝えられるメディアは今、他にありません。それに最近はバッシングにもだいぶ耐性ができてきた気がします(笑)。

 そもそも情報発信をするからには、多少の批判は覚悟していますし、それくらいじゃないとだめ。そうじゃないと話題にもならない。自分の中には「お金配り」にもゴールがあるので、近い将来、「こういうことがやりたくて前澤はお金を配っていたのか」と理解していただける日が必ず来ると信じています。

社会実験も兼ねた「お金配り」

 実は、昨年1月に実施した「お金配り」は、社会実験も兼ねていました。我々の研究チームは前澤式ベーシックインカムと呼んでいます。100万円を1000名(計10億円)に配ったのですが、4月に一括で受け取る人、10月に一括で受け取る人、毎月分割で受け取る人などのグループに分け、17回にわたるアンケート調査を実施。手にした100万円によって当選者の仕事や生活にどんな変化が起きたのかを答えてもらいました。

 そのアンケート結果を踏まえ、駒澤大学の井上智洋准教授や京都大学の宇南山卓教授などの協力を得て、思わぬ収入が当選者の行動(貯める、使う、労働時間を削るなど)にどう影響するのか、価値観に変化が起きるのかなど、マクロ経済学、行動経済学、公共経済学など様々な観点から分析してもらいます。調査結果は、今後の研究にも役立ててもらいたいと考えています。

後編に続く

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