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2022/01/01

天皇の諸行事にはカップルが似合う

 今上天皇が即位されて4カ月余。この間、天皇、皇后両陛下はトランプ米大統領夫妻を国賓で迎え、マクロン仏大統領夫妻を公式実務賓客として接遇された。8月30日には、第7回アフリカ開発会議(TICAD)のため来日中のアフリカ32カ国とアフリカ連合の首脳らを皇居・宮殿に招き、茶会を催された。雅子皇后も首脳らと言葉を交わし、質問された。その夜は明治記念館(東京・港区)での第3回野口英世アフリカ賞授賞式と記念晩餐会にご夫婦で出席された。

 皇室外交の観点から言えば、この4カ月余は、今月22日の「即位の礼」に向けての助走期間と言っていいだろう。この間、確認されたことが幾つかある。1つは、何と言っても雅子皇后が天皇の横で務めを果たし、存在感を示されていることだ。

2018年12月、雅子さまのお誕生日に際してのご近影 宮内庁提供

 令和になる前、人々は内心、「新皇后は大丈夫だろうか」との危惧を抱いていた。皇太子妃の時と同様、病気と折り合いをつけながら休み休みいかねばならないだろう、との思いがあった。しかしこの心配が振り払われたのが5月1日の「即位後朝見の儀」だった。

 映像で流れる、天皇の脇に立つ皇后は、それまでの病弱な、どこか自信なげな様子とは打って変わって、堂々とした振る舞いを見せられた。皇后としての覚悟とも決意ともとれる意志を、その姿に見た人は少なくなかったのではないか。引き続く4日の即位を祝う一般参賀でも、宮殿・長和殿のベランダに天皇と共に6回立たれ、しっかりと存在感を示された。人々の安堵は新皇后への親近感を一気に高め、頑張っておられることへの声援へと変わった。3年前の上皇の退位表明後、世論の皇室への関心は高く、今日に至るまで各種世論調査でも「親しみを感じる」という人が7割台を占めている。

2019年5月4日、一般参賀に臨まれた天皇皇后両陛下 ©文藝春秋

 助走期間を通じて確認された2つ目は、天皇の諸行事へのお出ましは、やはりカップルが似合うことだ。皇太子時代、国内、外国での諸行事や国際親善に努められた天皇は、単独でも支障なくやり遂げられてきた。

 しかし令和になって皇后の体調に好転の兆しが見え、カップルで外国の賓客を迎えたり、ご一緒に地方に行かれたりすることが増えると、天皇が生き生きしているように見受けられる。皇后が関係者と熱心に話される脇で温かく見守られている様子にも、皇后と責務を分かち合っている喜びが感じられる。天皇は雅子皇后とカップルで公務を務められることが本当に嬉しいのだな、と思う。1プラス1が3にも4にもなると改めて実感されているかもしれない。